午前9時30分に,母の代わりにスーパーへ行き,いったん荷物を持ち帰ってから,10時に予約を入れておいた美容院へ。カットとパーマ。
1時前に終わる。いくら言ってもパーマのあたりが緩いなあ。
さて。暑くなってきた。病院へ。
昼食はマクド。たまにはジャンクも良いだろう。チーズバーガーとフィレオフィッシュ,ポテトとコーラ。美味い。。。
3時に病室へ。37℃の微熱。
寒がりの父が珍しく「暑い」という。背中に手を入れると,たえずベッドとくっついているためか,じっとりと汗ばんでいる。しかも,よく見ると,ラクダ色の冬物の長袖シャツを着せられている!
リハビリ病院は冷房が強かったので,この冬物シャツを着ていたが,こちらはそう涼しくもないので,もう少し薄い,白の前あきの長袖シャツを,棚の一番取りやすい位置に目立つように置いていた。なのに,よりによって,このシャツに着替えさせるとは。
家からちょうど,半袖のかぶりのシャツを1枚,ためしに持ってきたところだったので,看護師さんにお願いして着替えさせてもらう。点滴がついているし,ワタシ一人では着替えは不可能だと思ったから。
案の定,ちょっと面倒くさそうに2人の看護師さんがやってきて,とてもスピーディでしかも乱暴に,父に夏用のシャツを着せた。病人なんだから,もうちょっと,こう・・・と思ったが,さすがに「もうちょっと優しく扱ってください」とは,なかなか言えない。
その様子を見ていて,やっぱり,シャツは前開きのものが,着替えさせるほうも,父も,楽なんだなと思う。あとで,買いに行こう。
あとで父が,「まったく人間扱いしていないからなぁ。人を丸太みたいに乱暴に扱って・・・」とこぼしていた。どんな年寄りだって,元気のない病人だって,寝たきりの人だって,自分が粗雑に扱われているのは,敏感に感じ取るのだ。
主治医がやってきて,傷口の消毒。昨日は,抜糸をしてくれたので,ついでに「胃ろう」部分を初めてよく見せてもらった。腹から直接チューブがぶらさがっているのは,なかなか・・・ショッキングだった。
「自己抜去」について,ワタシは少し不安に思っている。普段の父なら大丈夫だが,今後,環境が変わったりして混乱した時,チューブを抜いてしまわないか,と。
主治医は,「僕が見ている限り,穏やかそうなので,その心配はないと思いますが・・・」と言いつつ,自己抜去をふせぐための,軽い拘束服がある,と話す。本人では開けられないように,ジッパーなどに工夫がされているらしい。でもなぁ・・・
「大丈夫なのに,拘束するのは抵抗があります」と言うが,「でも,抜いてからでは手遅れですからね」とも。認知症の患者さんなど,自己抜去の例が結構あるらしい。かなり痛いと思うのだが・・・父は,混乱したからと言って,そんなコトまでしてしまうだろうか?
まぁ,拘束服の話は,いちおう心に留めておこう。
父は主治医に,「カレーライスなんか食べたいですね」と訴えていた。ワタシに言っても,「無理だよ」と言われてしまうので,主治医に言ってみようと思ったのだろう。まだ若いドクターは,なにも言わず,ちょっと困ったような顔をして,微笑んでいた。ここで,うまくなんとか言って欲しいんだけどなぁ。。。
今日の父は,よほど食べ物のコトばかり考えているらしく,看護師さんにも,「くぎ煮が食べたい」だの言っていた。ワタシが肌着を買いに,駅前のスーパーに出かけている間に,寝ぼけたのかナースコールを鳴らして,「今からマルヤス(スーパー)へ行くので」などと言ったらしい。もう・・・切ない。
そのあとも,ワタシに,「あぁ,うまいモノが食べたいなぁ・・・おでんとか,くぎ煮とか」と言う。返事に困る。「あぁ,水が飲みたい」とも。毎度のコトだが,泣きたくなる。
かと思うと,夕方にふと,「もう帰ってくれていいよ。明日,早出とちがう?」などと,ワタシを気遣ったりする。どれもこれも,父なのだ。
夕食の配膳が始まる頃,廊下に出たら,ナースステーションの近くの個室の前が騒がしかった。入り口には,目隠しがわりのついたてが立てられ,看護師が何人も,出たり入ったり。
どうやら,患者さんの容態が急変し,呼吸も心肺も停止したらしい。見覚えのある,若い男性の看護師が,「あとはAEDの指示どおりにしてください!」と大声を出している。
バイタルを映し出すモニターが,ピーピーと鳴りっぱなしだ。心臓がドキドキした。でも,ここは病院なのだから,これも非日常の風景ではない。そして,今や,こういう風景も,うんと遠くの出来事とは思えないのだ。
8時過ぎ,父に「おやすみ」を言って,病室を出る。さきほどの個室の前を通ると,部屋は静かになっていて,医者が静かにベッド脇に立って,患者の様子を見ていた。持ち直したのだろうか。