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2007・8・20 発熱。

少しのんびりと,6時半ごろ病院へ。駅の売店で,夕刊を・・・と手にとりかけたが,飛行機が炎上している大きな写真。また父が,おかしな夢を見ても困るしなぁ・・・と,やめておいた。


病室につくと,父は氷枕をしていた。熱??栄養の滴下は始まっている。


ちょっと生気のない顔をした父は,喉と胸のあたりをゼロゼロ言わせていて,喋るのもしんどそうだ。どうしたんだろう??


見かねてナースコール。とりあえず,息を吸ってもはいても,ゼロゼロ言いっぱなしなので,痰の吸引をしてもらう。


看護師さんの話では,昼間に結構な熱が出て,解熱剤で下げているらしい。今は37℃台前半だという。栄養はOKとのコトなので,入れています,とのコト。肺のレントゲンと血液検査もしたというから,ちょっとイヤなカンジの熱発なのだろう。


一度吸引してもらって楽になったようだが,またすぐに,痰がつまりだした。ワタシがいた1時間半の間に,結構な長時間の吸引を2回。父は涙を流して,ヨレヨレになった。


涙と目やにがこびりついている顔を,熱いおしぼりで拭いてやる。あまり刺激をしてはゼロゼロがひどくなるので,そっと拭く。


・・・・・どうしてこうなっちゃうのかな。


それでも7時頃になると,「お姉ちゃん,もう帰ってくれてもいいけど」と,ワタシを気遣う。「さっき来たところやん。8時まではいるから大丈夫」と応える。いても,できるコトは限られているのだけど・・・・


8時になった。父は少しだけ落ち着いて寝息を立てている。「もう帰るよ。大丈夫か」と声をかけると,「うん」とは言うものの,いつまでもベッドからこっちを見ている。何度も振り返り,ベッドへ近寄っては「なんかある?」と聞き,後ろ髪をおもいきり引かれる思いで病室を出る。


エレベーターホールで,主治医がワタシを遠くから見つけて,飛んできた。


原因はよくわからないが,どうやら肺が良くないらしい。炎症を起こしているのは間違いないそうだ。

唾液などによる誤嚥か,栄養剤の逆流か,あるいは,なにかの感染症か・・・・・でも,多分,あんなにゴロゴロ言っているのは,誤嚥なんじゃないかな。今までと同じ症状だから・・・


とりあえず,栄養剤を中止する,とのコト。逆流かどうかはわからないが,こういう時は,消化器官も弱るから,逆流のリスクが増えるそうだ。しばらくは,点滴のみの栄養と,抗生剤の投与。

「・・・少し逆戻りです。急な熱発には僕も驚いているんですけど・・・」と,主治医。


早く治まりますように。いろんな意味で辛い「胃ろう」だけれど,点滴のみに頼るには,父の弱くてもろくなっている血管が心配だ。


父の肌着をもう1枚買って,帰る。


帰ってから連絡メモを見ると,どうやら今日の午前中,父はリハビリをしたようだ。弟が行ったとき,ちょうど車椅子で連れていかれる途中だったらしい。


リハビリをしたから,肺が炎症を起こしたとは思えないが,熱が出る前だったなら,きっと父は,辛かったにちがいない。

・・・泣きたいようなコトばかりだ。
# by rompop | 2007-08-20 19:24 | ホスピタル

2007・8・19 不調。

11時まで寝ていた。暑くてあまりちゃんと眠れない。


テレビの配線を直したくて,テレビの裏側にもぐりこんで配線板などを見ていたら,どうしたコトか,背中全般の「すじ」が違ってしまった。普段使わない部分の筋肉に,変な力が入ったせいかもしれない。背中が「攣る」というか,あまりにも痛くて,1時間ぐらい,横になっていた。

どっちを向いても痛いし,起きても寝ても痛いし,心臓までドキドキしてきて,このまま治らなかったらどうしよう・・・・と,不安になる。歩けないような痛さじゃ,パパの病院どころじゃないからなぁ。


しばらくしたら,少しマシになったので,ホッとする。ホントに身体が資本?なんだから,大事にせねば。


2時過ぎに家を出て,病院へ。今日も暑いや。それに,なんだか,今日はワタシも体調が今ひとつ。


父は,今日も熱もなく,下痢もしていなかった。変わりないと言えば,変わりない。ただ,そう元気でもない。


「気分が良かったら,車椅子に座ってみる?散歩しようか?」と言ってみたが,「いやぁ・・・ベッドでいいよ」とのコト。「しんどいか?」と聞くと,「・・・しんどいねぇ」と言うので,これはあきらめた。ベッドばかりではどんどん弱ってしまうのでは,と焦るが,無理に連れ出しても本人が辛ければ・・・


あとで看護師さんが血圧を測りにきたら,今日は少し低く,上が90台だった。100を切ると,少し辛いと思う。「車椅子に座らせようかと思っていたんですが」と言うと,「この血圧ではちょっと辛いと思いますよ。急に頭を起こしたりすると,フラフラするし,急に血圧が変動すると危険ですから」とのコト。そうだよね。


それでも父は,ワタシが買っていった新聞を,「じゃあ読もうか」と,少しだけ読んだ。でも,2面ぐらい読んだところで,疲れてしまったのかギブアップ。持久力がまったく無くなった。

ベッドがずっと30度ぐらいに起こしてあるので,辛いのではないかと思い,「ベッド,倒そうか?そのほうが楽ちがう?」と尋ねると,急に父は,「なんでそんなコトばかり言うんだ!」と怒り出した。訳がわからん・・・・・「そのままでいいなら,別にいいよ」と放っておくと,しばらくしてから,「・・・・散歩に行こうって言われたのかと思った」と父。


ワタシのほうが,「勝手に勘違いして,なに怒鳴ってんねん!」とキレてしまう。アカンアカン・・・今日はホントにワタシも不調。


気を取り直して,父のヒゲを剃ってやる。できるところまでは自分でやらせて,そり残しをワタシが剃る。熱いおしぼりで顔や,手のひら,足を拭いてやり,足には水虫の薬。どうも,この水虫の薬,看護師さんが塗ってくれている気配がないのだ。確認してみると,やっぱり途中から忘れられていて,塗られていなかった。とほほ。


6時。栄養が始まった。しかたないとは言え,同室の人が食べている音や匂い,ホントにいつまで経っても辛い。父もぼんやりした顔をしているので,テレビを動かしてよく見える位置にもってきて,つけた。

ワタシが気を使いすぎなのかもしれないが,テレビの番組1つ見せるにも,気を使ってしまう。どのチャンネルも,美味しそうなものが出てくるから・・・CMだってそうだ。だから,自然とNHKになってしまう。しかし,海外報道特集なんて,父には全然面白くなさそうだったので,途中で「ちびまるこちゃん」に替えた。意外と,父は面白そうにちゃんと見ていた。

「サザエさん」が始まってすぐに,父はメガネを外し,イヤフォンを外してワタシに渡した。「テレビはもういい」の合図。


オシッコがいつの間にかたっぷり出てしまったようなので,尿取りパッドを交換してもらう。ギャッジアップしている状態で,うまく替えるのは,ワタシには難しかった。


7時になったので,帰るコトにした。ホントに今日は,なんだかしんどいや。


帰りに駅前のスーパーで父の半袖の肌着を1枚買い足し,母のお土産にいちじくを買って帰る。
# by rompop | 2007-08-19 16:56 | ホスピタル

2007・8・18 食べ物のコト,ばかり。

午前9時30分に,母の代わりにスーパーへ行き,いったん荷物を持ち帰ってから,10時に予約を入れておいた美容院へ。カットとパーマ。

1時前に終わる。いくら言ってもパーマのあたりが緩いなあ。


さて。暑くなってきた。病院へ。

昼食はマクド。たまにはジャンクも良いだろう。チーズバーガーとフィレオフィッシュ,ポテトとコーラ。美味い。。。


3時に病室へ。37℃の微熱。

寒がりの父が珍しく「暑い」という。背中に手を入れると,たえずベッドとくっついているためか,じっとりと汗ばんでいる。しかも,よく見ると,ラクダ色の冬物の長袖シャツを着せられている!


リハビリ病院は冷房が強かったので,この冬物シャツを着ていたが,こちらはそう涼しくもないので,もう少し薄い,白の前あきの長袖シャツを,棚の一番取りやすい位置に目立つように置いていた。なのに,よりによって,このシャツに着替えさせるとは。


家からちょうど,半袖のかぶりのシャツを1枚,ためしに持ってきたところだったので,看護師さんにお願いして着替えさせてもらう。点滴がついているし,ワタシ一人では着替えは不可能だと思ったから。

案の定,ちょっと面倒くさそうに2人の看護師さんがやってきて,とてもスピーディでしかも乱暴に,父に夏用のシャツを着せた。病人なんだから,もうちょっと,こう・・・と思ったが,さすがに「もうちょっと優しく扱ってください」とは,なかなか言えない。

その様子を見ていて,やっぱり,シャツは前開きのものが,着替えさせるほうも,父も,楽なんだなと思う。あとで,買いに行こう。


あとで父が,「まったく人間扱いしていないからなぁ。人を丸太みたいに乱暴に扱って・・・」とこぼしていた。どんな年寄りだって,元気のない病人だって,寝たきりの人だって,自分が粗雑に扱われているのは,敏感に感じ取るのだ。


主治医がやってきて,傷口の消毒。昨日は,抜糸をしてくれたので,ついでに「胃ろう」部分を初めてよく見せてもらった。腹から直接チューブがぶらさがっているのは,なかなか・・・ショッキングだった。


「自己抜去」について,ワタシは少し不安に思っている。普段の父なら大丈夫だが,今後,環境が変わったりして混乱した時,チューブを抜いてしまわないか,と。

主治医は,「僕が見ている限り,穏やかそうなので,その心配はないと思いますが・・・」と言いつつ,自己抜去をふせぐための,軽い拘束服がある,と話す。本人では開けられないように,ジッパーなどに工夫がされているらしい。でもなぁ・・・

「大丈夫なのに,拘束するのは抵抗があります」と言うが,「でも,抜いてからでは手遅れですからね」とも。認知症の患者さんなど,自己抜去の例が結構あるらしい。かなり痛いと思うのだが・・・父は,混乱したからと言って,そんなコトまでしてしまうだろうか?


まぁ,拘束服の話は,いちおう心に留めておこう。


父は主治医に,「カレーライスなんか食べたいですね」と訴えていた。ワタシに言っても,「無理だよ」と言われてしまうので,主治医に言ってみようと思ったのだろう。まだ若いドクターは,なにも言わず,ちょっと困ったような顔をして,微笑んでいた。ここで,うまくなんとか言って欲しいんだけどなぁ。。。


今日の父は,よほど食べ物のコトばかり考えているらしく,看護師さんにも,「くぎ煮が食べたい」だの言っていた。ワタシが肌着を買いに,駅前のスーパーに出かけている間に,寝ぼけたのかナースコールを鳴らして,「今からマルヤス(スーパー)へ行くので」などと言ったらしい。もう・・・切ない。


そのあとも,ワタシに,「あぁ,うまいモノが食べたいなぁ・・・おでんとか,くぎ煮とか」と言う。返事に困る。「あぁ,水が飲みたい」とも。毎度のコトだが,泣きたくなる。


かと思うと,夕方にふと,「もう帰ってくれていいよ。明日,早出とちがう?」などと,ワタシを気遣ったりする。どれもこれも,父なのだ。


夕食の配膳が始まる頃,廊下に出たら,ナースステーションの近くの個室の前が騒がしかった。入り口には,目隠しがわりのついたてが立てられ,看護師が何人も,出たり入ったり。

どうやら,患者さんの容態が急変し,呼吸も心肺も停止したらしい。見覚えのある,若い男性の看護師が,「あとはAEDの指示どおりにしてください!」と大声を出している。


バイタルを映し出すモニターが,ピーピーと鳴りっぱなしだ。心臓がドキドキした。でも,ここは病院なのだから,これも非日常の風景ではない。そして,今や,こういう風景も,うんと遠くの出来事とは思えないのだ。


8時過ぎ,父に「おやすみ」を言って,病室を出る。さきほどの個室の前を通ると,部屋は静かになっていて,医者が静かにベッド脇に立って,患者の様子を見ていた。持ち直したのだろうか。
# by rompop | 2007-08-18 18:39 | ホスピタル

2007・8・17 希望。

6時20分に病院へ。熱もないはずだが,今夜の父は,なぜかずっと寝ていた。

やはり昼間に来ないと,ホントの父の様子はわからない。夜だけ1時間半ぐらいいたって。

8時になったので,父を揺り起こして,声をかけ,帰る。父は笑顔を見せたが,一瞬後には目を閉じてしまった。


歩きながら,「どんな時も希望を持たなければ」と考える。

でも,本当は希望を持たなければいけないのは,父本人だ。食べられなくても,歩けなくても,家に帰れなくても,生きていて良かった。と,父自身が思えなくては。


クオリティ・オブ・ライフ。

でも,それは,今の父にとっては難しいことだな。。。
# by rompop | 2007-08-18 17:59 | ホスピタル

2007・8・16 空。

お盆休みも,いよいよ今日が最後。

思いきり朝寝。といっても,なにしろ熱帯夜なので,うまく熟睡できない。もともと冷え性で,クーラーが嫌いなモノだから,扇風機のタイマーだけでは,汗だくになってしまう。


トマトとツナのスパゲティを山盛りたいらげて,出かける準備。もう,ここまで日課になったら,出かけるのが面倒とか,イヤだとかあまりカンジないなぁ・・・

2時過ぎ,一番暑そうな時間に家を出る。やっぱり,暑い。。。。


病室には3時ごろに着いた。父は目を開けていた。


父の表情や顔色,枕などをさっと観察する。普通の枕ということは,熱はないのかな。顔色もそう悪くなく,なにより表情も,そんなにぼんやりしてはいない。ワタシの顔を見て「あ!」と言うちょっと嬉しそうな顔をした。


しかし,やはり今日も,熱は37,3℃。微熱・・・どこからくる熱なのか。でも,このぐらいの熱,看護師さんは気にもとめない。


洗濯物が大量にあったので,コインランドリーで洗濯をする。各フロアに1台しかないのに,先に洗っていた入院患者さんが,時間が終わってもなかなか取りにこないので,イライラした。人の迷惑を考えないマイペースな人が,多いなぁ。


看護師さんたちから,窓際の患者さんとベッド位置を変わって欲しい,と言われる。あとから入ってこられたその患者さんは,父よりもずいぶん若いが,認知症があるのか,急にベッドから立ち上がろうとしたりするので,目が離せないらしい。父のいるベッドが,一番廊下からも目につくし,巡回には便利なのだろう。

父は窓際のほうが嬉しそうだったが,いざ変わってみると,スペースが少し狭いし,なにより窓からの照り返しがあって,結構暑い。。。。。寒がりの父も,めずらしく今日は,汗ばんでいた。クーラーの効きも少し悪いかも。まぁ,しかたないか。

ただ,空が見えるのは,イイ。窓際のカーテンを開けていれば,夜までずっと明るいし。


するコトがほかにないので,父のひげを剃り,おしぼりで顔や手首,足と手を拭いてやる。爪切りも。


あとは,ぽつぽつと父と喋りながら,文庫本を読んでいた。点滴の針の位置が,毎日のように変わるので,布団や肌着のあちこちに,血がついている。点滴の針なんてたいしたコトないようでも,毎日さされるのは,イヤだろうなぁ。


夕方,空が暮れだした。「暮れてきたねぇ」と父。外の景色といっても,病院の建物の内側を向いている窓なので,向かい側の病棟の窓や,空調機が見えるだけだ。あとは,わずかに切り取られたような小さな空と,病院の名前の書いた大きな看板と。


7時頃,その病院の看板に灯りがともった。鮮やかな青いランプで,病院の名前が宵闇に大きく浮かび上がる。


「綺麗だねぇ・・・」と父が嬉しそうにいうので,振り返ると,確かに綺麗だった。平日の夜,ワタシはいつも,遠くからこの青く浮かび上がった文字をめざして,一目散に歩いてくる。



それにしても,せめてこの窓から,もっと空がたくさん見えたらいいのに。。。。。
# by rompop | 2007-08-16 22:00 | ホスピタル