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2007・6・1 ③ 怒る,父。

2007・6・1 ③ 怒る,父。_d0062023_23163158.jpg定時に事務所を出て病院へ。

父の病室の扉を開けると,やたらに真赤な顔をした父がいた。

熱が高いのかと思って焦るが,体温計で計ってみると,ただの微熱。。。


担当看護師さんに,「今日の午後は,どんな具合でした?」と,詰め所までいき,尋ねる。午後もずっと,37℃台の微熱があったが,わりあい元気そうで,午前中は心電図や心臓のエコー(父は,肺気腫のほかに,心房細動もあるので)などの検査,全身清浄をし,車椅子でトイレに連れていったら,4時ごろ,結構な量の排尿があったとのコト。

悪化しそうな気配は今のところないので,少し安心する。


ただ・・・急激に環境が変わったせいか,父は少し混乱しているようで,頭のほうの具合が怪しい。

昼間も看護師さんに,「そろそろ家に帰る」と言い出し,対応に困ったそうだ。「今夜はここに泊まってもらわないと」と諭すと,「ここに泊まるコトを家族が知らないので心配する」と,しばらく押し問答。結局,看護師さんは,「家に電話しましたから,大丈夫ですよ」と言ったらしいのだが。


どうりで,ワタシが6時半に着いて病室のドアを開けるなり,「家に電話かけたって看護婦さんが言ってたけど,かかってきた?」と聞かれたのだ。ワタシは「さぁ・・・かかってないと思うよ」と答えてしまった。「あの看護婦,いいかげんなコトばかり言いやがって」と,父。


また,昼間ナースコールがあったので,看護師さんが部屋へいくと,父が勝手にベッド脇の車椅子に座っていたという。ベッド柵は立てたままだったのだが,隙間からすり抜けて降りたよう。午前中に検査に行ったため,そのままベッド脇に車椅子を置いておいたので,父は自分でそれに乗り移ってしまったらしい。

・・・・たいしたモノだな,とも思うが,もしふらついて転倒でもしたら・・・・

看護師さんも,あわてて,「危ないから1人ではダメですよ」と注意をしたら,猛烈に父が怒って,怒鳴り散らしたらしい。

父は,癇癪持ちなところがあるが,知らない人に怒鳴るなんてコトは,めったにしない人だ。どうしちゃったんだろう・・・・

そのほかにも,「個室にいるメリットを教えてくれ」だの,「主治医に見解を聞きたい」だの色々言っては,困らせたらしい。


看護師さんいわく,環境が急に変わったのが一番の原因だが,やはり,今は絶食で食事の時間がないので,1日のリズムが,自分でも把握できないのかも・・・とのコト。


体力の衰えも心配だが,認知症が進んでしまうのが,とても心配。


病室へ戻り,父とゆっくり話をする。というよりも,父の言い分を聞いてみる。理由もなしに,怒鳴り散らすなんてコトはあり得ない。父の中では,ちゃんと理由があるはずなのだ。


担当の看護師さんは,ワタシたちと同じ名字の,とてもしっかりした印象のよい看護師さんだと思う。優しい雰囲気だし,マメに話しかけてくれたり,仕事もきちんとしている,と思う。

なのに,「あの人は,いいかげんだ。その場しのぎのコトばかり言って,ごまかす」と父。「センセイを呼んできますね,と言って出てったきり戻ってこない」「家に電話して話しておきました,なんて言っておきながら,電話もしてないし」「とにかく,僕を怒らせるようなコトばかり,言うんだ」とのコト。

・・・・・・ううむ。


「まだら呆け」の様相はあるが,父は案外,こちらが言ったコトや自分が小耳に挟んだコトを,ちゃんと覚えている。矛盾したコトを言うと,そこを突いてくる時がある。適当なごまかしは,あまり通用しない瞬間がある。自分が適当に言いくるめられたコトは,ちゃんとわかってしまっているのだ。だから,不信感が生まれてしまったよう。

「今日はまったく,怒りっぱなしだった」と言うので,それで顔が赤いのかもしれない。


車椅子に勝手に乗ったり,ベッドから降りたりすることは,今はまだ危険だから,絶対にしないように,と,それだけは強く言い聞かせる。「わかった」と言ってはいたが・・・

どうも昨日の朝,呼吸困難になってこちらへ搬送されたことすら,覚えていないようだ。昨日の記憶があまりない。

正直に,食べ物がつまって,呼吸困難になったこと,調べてもらったら肺炎を起こしていることを話す。悪化しないために,抗生剤の点滴をしばらくしなくてはいけないこと,食事もできないことも。


それでも,昨日の朝から何も食べていないためか,「お腹が空いた」と何度も訴える。「コンビニはどこにあったかな」と,そればかり聞く。「コンビニ?まさか何か買いに行こうと思ってる?」「そう」「今は食べたらアカンし,コンビニは遠いよ」「・・・そうか」

それでも,10分に一度ぐらいは,「お腹が空いたなぁ。何時まで絶食なの?」と聞かれる。辛い。


担当医の少し年輩のドクターがやってきて,父の顔色を見る。口から食べられない場合は・・・と,軽く「胃ろう」の話までされて,結構ショックを受ける。まぁ,今すぐ,というコトではなく,そういう選択肢もある,とのコトだろうが・・・・


熱があるせいなのか,それとも頭がぼんやりなのか,いつもよりもテンションの高い父のお喋りにつきあい,8時前に「もう帰ったら」と言われて,帰ってきた。


病院は・・・・・どうしてこんなに疲れるのだろう。ワタシの生気も奪われていくような気がする。


9時過ぎ,帰宅。弟はワタシの顔色を見て,ちょっとビクビクしている。昼間のコトは,もういい。それどころじゃないっていうか,とにかく疲れた。

父の今日の様子をざっと話し,「頭がおかしい感じだから,短時間でもいいから,なるべく顔を見せたら喋ってやってくれ」と頼む。いつもみたいに,さっと病室をのぞいて,「顔色がいいし熱もないから大丈夫」で帰ってくるのではなくて。



夕食 高菜弁当,味噌汁。
by rompop | 2007-06-01 23:11 | ホスピタル


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