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2007・8・29 コール。

父は,氷枕をしていた。熱は,37℃ぐらいだと看護師さんが言うが,中途半端な微熱,こういうのってなんなんだろう。。。


1回目の栄養はすでに入れられたあとだったが,ベッドをギャッジアップするのに,足元を全然上げてくれていなかったためか,父の上半身は下にずり落ちて,なんだかすごく不自然なかっこうになっている。「苦しい苦しい」と父が言うので,持ち上げようとしたが,やっぱり,むずかしい。


ナースコールを押したが,夕食時は忙しいとみえて,看護師さんがなかなか来てくれなかった。3回コールを押して,だいぶ経ってから,「遅くなってごめんね~」と,やっと来てくれた。


少し父の体勢を直してもらい,2回目の注入。


この看護師さんは,大人しいが,すごく清楚な顔立ちをしていて,ホントに「白衣の天使」という雰囲気がただよっている。親切だし,なんでも丁寧なのだが,ちょっとだけ・・・・どんくさい。コールを押してなかなか来れないのも,悪気があるのではなく,きっと,1つ1つのコトに時間がちょっとかかるのだろう。その証拠に,額には汗をかき,ちょっと笑顔が消えかけている。。。



ちょっと暑そうだが,今夜の父は頭もわりとクリアで,機嫌も悪くなさそうだった。やはり,栄養がちゃんと行き渡りはじめたのかな?

「今日は何曜日?」「ママは,どうしてる?」など,寝ているのかと思ったら,ときどき思い出したように,話しかけてくる。驚いたのは,「昨日の雨は大丈夫だった?」と聞いてきたコト。

昨日の帰り,雨が降り出しそうな気配だったので,「傘を忘れたから,降られないうちに,いそいで帰るワ」と言って,病室を出てきたのだ。

・・・昨日のコト,ちゃんと覚えてたんだ。


おしぼりをもらってきて,父に手渡し,自分で顔をふかせる。ふきにくい所だけ,ワタシがふく。手のひらも,じっとりと濡れているので,よくふいておく。


父のベッド脇でいつものように文庫本を開いていたが,眠っているのかと思うと,ちょっと目を開いてこっちを見たり,なにか話をしたそうにする。かといって,これと言って,話題もないようだ。

ワタシも,毎日,職場と病院の往復だけでは,そうそう,新しい話題もない。食べ物の話はNGだし,あまり家のコトを詳細に話しても,帰りたくなってしまうだろうし。。。

でも,なんとか楽しい話をして,気を紛らせてやりたいと思う。毎日,同じベッドに寝ているだけの父。外界の空気を運んでやれるのは,ワタシだけなのだ。と言ってもなぁ・・・・・・


栄養の注入が終わってしばらくすると,胃腸が動くのか,「ウンコしたいな」と言い出した。はて。車椅子でトイレまでもつだろうか。緩いなら,車椅子に移乗しただけで,出てしまうかもしれない。でも,「オムツにそのままして」とは,やっぱり可哀相でいいにくい。

いちおう,ダメもとで看護師さんに聞いてみようと思い,ナースコールを押した。「はい,行きます」と応答があった。コールを押してしまったあとで,父は,「やっぱりしんどいから,トイレへはいかない。我慢しよう」と言う。「我慢しなくても,出てしまったらすぐに言って,オムツを替えてもらうから」と言ったが,そうは言っても,寝ながらじゃ,なかなか便はでないようだ。

看護師さんがやってきたら,「トイレに連れて行こうと思ったけど,やっぱりいいです」と,謝ろうと思って待っていたが,それから10分たっても,15分たっても,ワタシが帰る8時まで,看護師さんは来なかった。


こんなの,すぐにトイレに行きたくても,間に合わないじゃん・・・ねぇ?


とりあえず,帰るコトにした。父は今日は,笑顔でワタシが病室の入り口から消えるまで,こっちを見て,手を振っていた。

父が,笑顔なら笑顔で・・・これまた,せつないものがある。
# by rompop | 2007-08-29 20:52 | ホスピタル

2007・8・28 汗びっしょり。

病院へ着いたら,6時半をとうに過ぎているのに,父のご飯(栄養)はまだだった。夜勤担当の男の看護師さんが,「○○さん,待ってね!すぐするからね!!」と,てんてこ舞い。


父はちょっと赤い顔をして,額も首筋も汗ばんでいる。でも,氷枕じゃなく,普通の枕をしている。


パジャマの背とシーツの間に手を入れてみたら,ものすごく蒸れて熱くなっていて,これ,だいぶ汗かいてるんちがう?下のほうも見てみたが,父の身体全体が熱いのもあるけど,ズボンのほうも汗ばんで濡れてるなぁ・・・まぁ,この分厚い何重にもなったオムツだから,暑いんだろうけど。

「パパ,暑い?」と聞くと,「暑いなぁ」という。見ると,また靴下を履いている。あわてて,脱がして,布団をすこしめくっておく。


看護師さんが,やっと栄養を持ってきた。でも,着替えさせて欲しいなぁ・・・とてもイイにくかったが,風邪をひいても困るので,パジャマも肌着も新しいのに替えてもらった。ついでにオムツも覗いてもらったら,尿が出ていた。でも,汗ばんで湿っているので,もう,全部取り替えてもらった。


かなり,すっきりしたと思う。身体に熱がこもっているカンジがしたので,しばらく布団をお腹のあたりにだけかけて,上半身と足は出しておいた。


今日から,水分補給などの点滴がはずれた。それでも,補助的に補うコトがあった時のために,左腕にルートだけは確保してある。針の上から包帯がぐるぐる巻いてあった。

栄養剤も全量入っている。1日,1200キロカロリー。プラス,水分とナトリウム,お薬。でも,1200キロカロリーって,ホントに最低限のカロリーだ。まぁ,体重がもどってきて,内臓が大丈夫なら,少し増やしていくかもしれないけど。


ともかく,父は,ずいぶん落ち着いていて,穏やかな顔をしていた。気持ちが落ち着いたのか,身体がしゃんとしてきたのか,よくわからないけど。今日は,あまり「しんどい」と言わなかった。そして,「○○が食べたい」とも。もしかしたら,栄養剤がちゃんと入って,空腹をあまりカンジなくて済んでいるのかもしれない。


汗ばんでいた父の顔と手足を,熱いおしぼりで拭いて,足には水虫の薬を塗る。


主治医がやってきて,父の顔色などを見ていた。ひどい下痢ではないにしても,依然として便は緩い。でもこれは,ある程度,段階を経て改善していくのを待つしかないそうだ。

このまま何もなければ,リハビリ病院へ戻ってもらいましょうか。と,具体的に退院(転院)の話がやっと出た。リハビリ病院に空きベッドがあるかどうか,さっそく問い合せしてくれるそう。


リハビリ病院・・・2月からお世話になっていて,父も馴染みのある病院だけれど,今度はもう,同じ3階フロアへ戻るのは難しいだろうな。そして,戻ったとしても,そこにいられるのは1ヶ月。その後の話は,まだ父にはしていない。。。


正直,ワタシは複雑な思いで,主治医の話を聞いていた。


8時前,父はベッド脇のワタシに,「お姉ちゃん,もう帰ってくれていいよ」と言った。雨が降ってこないうちに,帰るコトにした。父は穏やかな顔をして,ワタシを見送った。
# by rompop | 2007-08-28 19:50 | ホスピタル

2007・8・27 険悪。。。

いつもより15分くらい遅れてゆっくりと病院へ。


父は,夕食の栄養剤を入れてもらったところだった。看護師さんに尋ねると,37℃の微熱。。。どうしてこう,微熱が出るのかな?

でも看護師さんが「とってもいい表情しておられる」というとおり,今日の父は明るい柔和な表情をしている。眉間にシワもないし,口もむっつりとはしていない。

昨日,母が来たせいだと思う。母が来ただけで,父はこんなに落ち着くんだ。。。母の威力,絶大。


いつになく,父が笑顔なので,「口の中,冷たい水で拭いてあげようか?」というと,いつもは「いらない」というのに,今日は「やって」という。

はりきって,コップに氷をもらってきて,給湯器から緑茶をそそいで,うんと冷たくした。滅菌ガーゼを浸して固くしぼり,3回ガーゼを替えて,拭いてやった。「さっぱりした」と,珍しく喜んでくれた。


そこまではヨカッタのだが,看護師さんが「オムツどうですか?」とやってきて,父が「大丈夫」と答え,看護師さんが行ってしまったあと,ワタシが「ホントにオシッコもウンコも出てないか?」と根掘り歯堀り聞いた。なんとなく・・・出てるんじゃないかな?って思ったから。

父が「オシッコが出てる」と言ったので,「じゃあ,今,看護師さんが来たとき,言わなアカンやん!!」と言った。そしたら父は,「今は出てないよ」という。

「出てるの?出てないの?ホントにウンコもオシッコも出てないか??」と聞くと,父はどんどん険しい顔になっていって,「なんでお姉ちゃんが,そんなコトを聞くの?」「カンジ悪いなぁ!」と,すっかり怒ってしまった。


ウンコが出ているのに,そのままにしていたら,治りかけた皮膚炎が,また悪化してしまう。だから,父の下痢便にはとてもナーバスになっているのだ。皮膚がただれて,あんなに痛がっていたのは,父なのに。


ワタシも多分,「あの日」の前なんだなぁ。。。いつもなら,流せるコトなのに,腹がたって仕方がなかった。よっぽど,「ほな,帰るわ」と言って,帰ってこようかと思った。でも,我慢して,10分くらい怖い顔をして,黙って文庫本を読んでいた。


父も口をとがらして,目をつぶっていたが,だいぶ経ってから,薄目をあけてこちらを見ている。ワタシと目があっても,黙ってこちらを見ているので,まだ何か言いたいコトがあるのかと思って,「何よ!?」と聞くと,「・・・どうしてるかと思って」と言う。「本,読んでるんやんか」「・・・そう」

ワタシの機嫌が悪くなったので,ちょっと,気にしたようだ。そうなると,病人相手に,また可哀相なコトをしたかな,と思う。


8時。帰るコトにした。オムツは放っておこう。気持ちが悪ければ,自分で看護師さんに言うだろう。父にも,まだまだ,プライドがあるのだ。
# by rompop | 2007-08-27 20:34 | ホスピタル

2007・8・26 誠サマディナー・ショーIN名古屋。

病院を出てからは,ダッシュでJRに乗り,京都駅まで。あらかじめ乗り換え案内を調べておいたので,とってもスムーズに,2時過ぎには名古屋駅に着いた。

お友だちと合流して,ホテルのお部屋で着替えさせてもらい,午後4時。名古屋国際ホテルでの,誠サマのディナー・ショーが始まった。


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今年は無理だとあきらめていたけれど,どうしても行きたくて,前日に申し込んだ。もう満席かも。。。と思っていたら,S席テーブルがわずかに残っていた。ホント,ぎりぎりセーフ。ちょっとメインステージからは遠かったけど,花道も突き出し舞台もよく見えて,よいテーブルだった。

病院の帰りにふらりと寄った百貨店のバーゲンで,着るアテもなく買った,『ロートレアモン』のサーモンピンクのシフォンのドレス。靴やバッグ,ネックレスは全部,手持ちで間に合った。いろんなコトが,ちゃんとうまく回ってくれたような気がするのは,気のせい?

お食事と1時間ちょっとのショーで34,000円という額は,安いとは思わない。でも,ディナー・ショーって,なんていうか,癖になるんだよね。非日常感が,とてもイイ。

特に,今は,ああいう華やかな場所にちゃんとお洒落して出かける,っていうコトが,大事かと。もちろん,そんな気持ちになれない状況じゃないから,行く気にもなれたのだけど。

お料理も,わりと美味しかった。


2007・8・26 誠サマディナー・ショーIN名古屋。_d0062023_20332927.jpg

☆ディナーのお品書き。年輩のお客が多いせいか,和洋折衷のフレンチ?お箸でいただきました☆


誠サマは,今日もすごく綺麗だった。衣装も新しいモノが多くて,お金がかかっているから,贅沢な気分になれる。

終演後は,疲れているのに,ちゃんとお客さん1人ずつと握手をして,言葉を交わしながらお見送りをしてくれる。「お父さん,大丈夫なの?」と,また心配していただいた。「大丈夫です,ありがとう」と答えた。


9月には東京明治座での座長公演だ。チケットはもう届いている。行きたいが,行けるのかなぁ。。。ますますもって,9月の予想がまったくつかなくなってきた。


帰りも,とてもスムーズに,新幹線に乗ってから1時間半後には,自宅へ。


夕方,ワタシのかわりに,母が2時間ほどタクシーで病院へ行ってくれた。父は。。。。ものすごく,喜んだらしい。母が止める間もなく,ナースコールを押してしまい,やってきた看護師さんに,「家内です」と紹介したとか。検温にきた看護師さんにも,いちいち「家内です」と紹介したそうだ。

ほかの患者さんたちは,奥さんがメインに面会に来ているから,父はずっと羨ましかったのかもしれない。やっぱ,母が一番なんだなぁ。。。

ワタシがいるときは,平気で寝てしまうが,母がいる間は,居眠りもせずに,ずっと家のコトをあれこれ聞いて,喋っていたそうだ。

時間が遅くなり,父が母を気遣って,何度も「もう帰っていい」というので,母はつい,「ご飯がくるまでいるよ」と言ってしまったらしい。そうしたら,父は,平気な顔で,「ご飯ったって,現物は来ないよ」と言ったそうだ。母には,一度も,「何か食べたい」と言わなかったらしい。


まぁ,ともかく,母の体調も良く,父も喜んでくれて,ワタシも楽しい思いができたし,すべて上手く回った。。。というコトで。神サマ,どうもアリガトウ。
# by rompop | 2007-08-27 20:33 | 誠サマ

2007・8・26 着替え。

重い紙袋をさげて,11時前に病院へ。この時間に来るのは,珍しい。いつもと違う時間帯に来ると,病院内の様子も微妙に違っていて,面白い。


病室に着くと,父のベッドはカーテンで囲われ,看護師さんが中に入っていた。どうやら,オムツ交換をして貰っている様子。「○○さん,××しますね~」という優しい声に,父は,「えぇ,好きにしてください」と答えた・・・ように聞こえた。「好きにしてください」って,今言った??と,ワタシの頭のなかは疑問符がいっぱい。


少し覗くと,看護師さんが「あぁ,今,お下の洗浄しているんです」という。あぁ,そうか。プログラムに入っている「陰部洗浄」というヤツか。「お願いします」と言って,外で待っている。


終わったあと,看護師さんが困ったような顔をして出てきて,「身体を拭いてお着替えをしたいのですが,いくら言っても,イヤだと言われて・・・」と言う。父は不機嫌そうな顔で,「しんどいから,明日でいい」などと言うが,「曜日が決まっているんだから,ちゃんとやってもらい。不潔にしてたら良くないから」と言って,看護師さんにお願いする。

多分,寝たままの着替えは,あっちを向いたりこっちを向いたり,腕を曲げたり伸ばしたり,腰を持ち上げたり,そこそこ負担なのだろう。でも,腕を曲げてパジャマの袖を通すのも,腰を上げさせるのも,リハビリのうちだ。寝たままでは,腕も足も,固まってしまう。


父は,またもや不機嫌MAXで,看護師さんが優しく声をかけても,うんともすんとも返事をしない。終始無言のまま,黙って着替えをされていた。


終わって,「どうや?さっぱりするやろう」と言っても,「うん」と言ったきり,むっつりと目を閉じてしまった。

午前中のこんな時間は,まだ眠いのかなぁ。父は昼の栄養まで,ずっとワタシには目もくれず,眠っていた。


毎日,10時過ぎごろに病院へ来ている弟が,「寝ていたので一言も喋っていない」だの言うので,それは不仲な弟だからだ,と思っていたが,あながちそうでもないのかも。なんだか,甲斐のないコトだなぁ。

しかたなく,父の枕元の,手つかずの『文芸春秋』をパラパラ読んでいた。急に「今日は何曜日?」と甲高い声で父が尋ねる。「今日は日曜日」と答えると,「ふうん」と,また目をつぶってしまった。


することがないので,ヒゲを剃ってやった。おしぼりで顔を拭いてやっても,以前のように「気持ちいい」と喜ばないので,父に手渡して,自分で好きに拭かせた。なんだか・・・父は,すべてのコトが,もうどうでもよくなってしまったように感じる。


お昼の栄養のあと,ビオフェルミンを溶かした水を,注入。看護師さんがちょっと失敗,チューブから逆流した水分が,シーツと父のパジャマの袖を濡らしてしまった。

「いやぁ~ごめんねぇ。着替えたばっかりやのに,ごめんねぇ」と何度も謝りながら,濡れたパジャマの上着を,また交換。父はもう,むっつりと無言で「どうにでもしてくれ」なカンジだった。


1時前になった。時計ばかり見ていたワタシだが,「パパごめん。今日は用事があるから帰る。」と言う。父は,「はい,どうぞ」と言う。ちょっとだけ気が咎めるが,今日は夕方に母が来てくれるはずだ。でも,父にはまだ内緒にしておこう。母の体調が変わらなかったら,きっと嬉しいサプライズになるから。
# by rompop | 2007-08-26 22:32 | ホスピタル