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2007・8・13 罵倒。

9時に起きる。

10時にタクシーで母と一緒に隣町まで。今日は母の用事と買い物につきあう日。ちょっとしんどいなぁ・・・と思いつつも,これも親孝行かと我慢。

今日もだいぶ暑くなりそうだ。循環器の悪い母のために,なるべく外を歩かなくてすむように,タクシーを使う。国道はとても混んでいて,あらためて「盆休みなんかに出かけるんじゃなかった・・・」と後悔。みんな,どっかへ遊びに行くんだろうな。


母がずっと気にしていた銀行でのいくつかの手続きをすませ,ローカル百貨店のM坂屋へ。


親類やご近所の人,母の友達などからいただいた,父のお見舞いへのお返しを買う。先に地階で母に和菓子を選んでもらい,あとは母をソファに座らせておいて,ワタシがギフトセンターで商品券を買ってきて,和菓子売り場で同梱してもらう。

快気祝いとして返すコトができれば良かったのだが,そうなる目処もつかず,相談して「お見舞いお礼」の熨斗をつけてもらった。


それぞれ,お返しの値段も違うし,たくさんの伝票を書くのが一苦労だった。でも,母一人だったら,もっと時間がかかっただろう。和菓子は,ちょっと変わった形の涼しそうな水羊羹のセットにした。


お昼を過ぎた。上階のレストラン街で昼食。和風の店で,ざるそばとミニ天丼のセットを食べた。本当は母の好物のお寿司を食べたかったのだが,ワタシたちのお気に入りの店はいつの間にかつぶれて,なくなっていた。


その後,母の体調を気遣いながら,タクシーで父の病院へ。

父は母の顔を見ても,いつもほど喜んでいるようには見えなかった。ちょっと頭もぼんやりしていたかもしれない。

それでも,ぽつぽつと話をしながら,母は1時間半ほど居てくれてだろうか。二人で熱いおしぼりで父の顔や足を拭いたり,足の指に水虫の軟膏を塗ったり,氷水で口の中を拭いてやったりした。


今日の父は,下痢はなく(便通がない),熱も36,8℃。

しかし,どうしたコトかおかしなコトを言い出して,ワタシたちを困惑させた。


「そこにあるタンスに30万を置いたんだが,心配だから見て欲しい」と。どうやら,ワタシたちがいく前には,看護師さんにお願いしたらしい。そうしたら「ご家族の許可がないと勝手に探せないので」とうまくかわされたようだ。

ワタシたちの顔を見るなり,「家族が来たと,看護師さんに知らせないと」と,ナースコールを押そうとするので,あわてて止めて訳をきき,母と一緒に,「お金は家にあるから」「台所の上の棚の奥にちゃんと隠したから」と言って,安心させた。何度かそう説明すると,父はやっと,「あぁ,やっと安心できた」と言って,素晴らしい笑顔を見せた。

母は,「もう・・・パパ,しっかりしてや」と苦笑していたが,父の頭のなかでは,これが本当なのだろう。


それから,しばらくして,「2~3日中に散髪に行くから,お金を置いておいて欲しい」と言い出す。「小銭もなにもないのは,心配だ。お金がいる時があったら困る」と。

気持ちはわかるが・・・・


「ここは病院だから,お金のいることなんてないよ」「いるときは,ワタシたちが払うから」「売店にもパパひとりでは行けないからね」と,説明する。父は不満そうだった。でも,あきらめたらしく,それ以上はねだらなかった。


母があまり疲れても困るので,先にタクシーで帰す。父は笑顔で母と握手をして別れた。ワタシは母について行き,無線でタクシーを呼んだ。


「パパ,少し(認知症が)進んだなぁ・・・どうしたらええんやろう」と,母。たしかに,ゆるやかに父は進んでいる。本当に,年寄りにとって,環境の変化や寝たきりの生活は,危険なのだと思う。


4時ごろ,主治医をはじめ,エライ(らしい)ドクターたちがぞろぞろと連れ立って,回診にきた。こんなの初めてで,ちょっと緊張したが,どうやら,胃ろう造設後の栄養状態のチェックらしい。

一番エライ(らしい)ドクターが父の胸に聴心器をあてたり,軽く質問したりしただけで,あとは父を見下ろしながら,ドクターや看護師同士で,よくわからない専門用語でなにやら意見交換をしていた。栄養剤の量や種類などについて,話をしていたようだ。


その中に,前回,誤嚥性肺炎で入院したときの担当医の姿があった。そのドクターが,少しあとに残って,「どうですか?」などと声をかけてくれたので,「床ずれができかけているんですが,軟らかいマットレスの在庫がないみたいで・・・」と,ダメ元で訴えてみた。ドクターは,「あ,そうなの?あとで確認してみます」と言ってくださった。


が,どうせ無いんだろうな・・・と思っていた。ところが!1時間ぐらいあとで,看護師さんがやってきて,「明日,マットレス交換しますからね」と言うではないか。今までワタシは,5人ぐらいの看護師さんに,毎日のように「マット,なんとかならないですか?」と訴えてきた。そのたびに,「在庫がないです」「全部使っていて・・・」「ほかの病棟にもきいているんですけどね・・・」などと,言われてきた。ううむ・・・口あんぐり。やっぱり,こういうのは,直接,医者に直訴しないと駄目なのかも。


5時半頃,そろそろ疲れてきたので,帰ろうと思った。本当は,夕食の時間,同室の人たちが音や匂いをさせて食事をしている間,いてあげたいと思うのだが,なんだか・・・身も心も限界だ。


寝ている父に,「もう帰るけど,構わないか?」と聞くと,そっけなく,「あ,そう。ご苦労さん」と言われる。どうやら,さきほど,「水虫に良くないから」と,無理やり寒がる父の靴下を脱がせたのが,不満だったようだ。父の足のためにやっているのだが,本人に水虫の自覚がないのだから,不満しか感じないようだ。


しかたなく,靴下をはかせる。夜は素足だと寒がるだろうから。


いよいよ帰ろうとした時に,「お金を少し置いておいてくれ」と言われる。さっき,あれほど説得したのに・・・・・

「お金のいるコトってないから,いらないよ」と言うと,「あとで自転車に乗って,マルヤスに買い物に行くから」と父。

・・・・・・・・マルヤスとは,父がよくバナナなどを買いに行っていた,近所のスーパーだ。


あまりに突拍子もないので,答えにつまっていると,「マルヤスで買い物して金がなかったら,困るだろう」「少しでいいから,今(金を)くれ」とたたみかけてくる。


「・・・・・パパ,マルヤスなんかに1人で行かれへんよ・・・・・」と言うと,「今行けなくても,あとで行く!行く時にお金がないのは困るだろう」と言う。

「でもパパ・・・」と言いかけると,父は急に怒り出した。

「うるさい!人の言うコトに反対ばかりして,このへそ曲がりが!!」「もう頼まないから,さっさと帰れ!」と大声で怒鳴る。びっくりして,「パパ,そんなに怒鳴らないで!」と制すると,ますます怒りまくって,真赤な顔で,「帰れ!さっさと帰ってくれ!!」とますます怒鳴り散らす。


手がつけられない,とはこういう状態なのだろうか。怒鳴っている父の目は,完全にイってしまっている。オロオロして,父の周りをうろうろしていたが,父は怒鳴るだけ怒鳴ると,あとは目をつぶって横を向いてしまった。


帰りかけて,2度ほど病室に戻ったが,何といってよいのかわからなくて,結局,帰ってきた。


父の認知症は進んでいる。今,自分がどういう状況で,どこにいるのか,時々,まったくわからなくなってしまうようだ。

もしかしたら,食べるコトも飲むコトもできないで,動けないでいる今の状況を認められなくて,余計にそうなってしまっているのかもしれない。なんとなく,そう思った。


病気だからしかたがない。それでも,あんなに憎憎しげに「帰れ」と怒鳴られたのはショックだった。これからも,こんな想いをたくさんしなければならないのだろうか。。。


なんともやりきれなくて,フラフラと百貨店に入った。地下のジューススタンドで,甘い夕張メロンジュースを飲んだ。
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by rompop | 2007-08-13 15:33 | ホスピタル

2007・8・12 何を,食べている?

11時まで眠っていた。あひるご飯は,母が買ってきたおにぎり2個と,自分で焼いた卵焼き。


2時過ぎに家を出た。今日も暑いなぁ・・・駅の売店で朝刊を買って行く。


3時に病室についた。父はちゃんと起きていた。昨日あんなに酷かった下痢も,今日は止まっているようだ。少しホッとする。便通は,つまっても困るが,緩すぎても本人の負担も大きい。


熱もないようだ。父は持ってきた新聞を,老眼鏡をかけて少し読んだ。ページがめくりにくいので,ワタシがめくり,小さく折って父に持たせた。

少し読んだあとで,「目がかゆい」としきりに言って,読むのをやめてしまう。今日は日曜なので診察は受けられないので,かゆみが続くようなら眼科を受診しましょう,と看護師さんが言われるので,お任せするコトにする。


新聞をやめてしまうと,もうするコトがない。テレビも見たくない,といい,父はじきに目をつぶってしまった。あぁ,また寝てしまう・・・・・


文庫本を読みながら,ちらちらと父の寝顔を見ていた。しきりに口をモグモグと動かすと,右手を布団から出して,なにかをすくうようにして口に運んだ。何かを食べている・・・?


父は急にパチリと目を開けて,「あれぇ?今,スプーンをもってたんだけど」と不思議そうに言った。寝ぼけているのだ。あんなに不味いと嫌がっていたミキサー食を食べている夢でも,見ていたのだろうか?


「おしっこ出た」というので,尿取りパッドを交換する。尿がたっぷりしみこんだパットは,ずっしりと重く,なにか香ばしいような匂いがする。これが人間の尿の匂いなんだなぁ・・・・


熱いおしぼりをもらってきて,顔と手のひらを拭く。父の手のひらは,どうしてか,いつも湿ってニチャニチャしている。


6時半から栄養剤が滴下された。ベッドを30度の角度で起こされた父は,今は目を開けてまっすぐ前を見ている。父の目の先には,栄養剤を入れたボトルがぶら下がっている。

沈黙が耐え切れなくて,無理やりおしゃべりをしようとするが,うまくいかない。


疲れたので,7時ごろに帰ることにする。もう少し遅めに来て,この栄養剤を入れているなんともいえない時間帯に,一緒にいてあげたほうがいいのかなぁ・・・などと考える。


百貨店が開いていたので,また少しウィンドウショッピングをして,リフレッシュして帰る。
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by rompop | 2007-08-12 14:24 | ホスピタル

2007・8・11 泥の池。

いつもと同じ時間に起きた。予約は取っていないが,かかりつけの胃腸科へいき,胃カメラをやってもらおうと思う。いつもそうしているので,昨夜は9時に夕食を終え,朝食も抜いた。


8時半前に受付。ところが,いつも診ていただいているドクターが臨時でお休みとの事。運が悪かった・・・・


胃カメラは,はっきり言ってドクターの技術がモノを言うからなぁ。。。診察してくれたのは,一ヶ月前と同じく,患者の顔をまったく見ない,不機嫌な物言いをする最低な印象のドクター。とりあえず,ワタシもあまりこの人とはしゃべりたくないので,薬だけを出してもらうように頼んで,胃カメラの予約をして帰ろう。


一か月分も薬をくれた・・・・・まぁ,いいっか。



予定よりずいぶん早く終わってしまった。とりあえず,朝食だ。24時間営業の店で,「目玉焼き朝定食」(450円)を食べる。目玉焼き(小さい・・・)と炒めたウィンナーが2本。味噌汁,青菜とあげのおひたし,味付け海苔。(旅館の朝食みたい)

ご飯のお代わりは自由なので,1杯半食べた。最後は備え付けのお漬物でお茶漬け。


11時からマッサージの予約を取っておいたので,食べ終えてすぐにダッシュ。30分間の至福のひととき・・・「おそろしいぐらい,あちこちお疲れですねぇ」と呆れられる。そうだろうな。体中のどこを触られても,とりあえずは痛いから。


12時前に病院へ着いた。


廊下に便の匂いが流れている。臭い・・・父の病室に近づくにつれて匂いが強くなる。「まさか」と思ったら,そのまさかの父の便の匂いだった。ベッド脇が最高に匂う。


「パパ,うんこ出てるんちがう?」と何度聞いても「いや,出てないよ」と言う。そんなはずはない。しばらくして看護師さんがやってきたので,「絶対便が出ていると思うんですけど」と,オムツをあけてもらった。


案の定,「出てないよ」の父のオムツは,泥の池のようになっていた。うう・・・おしぼりで,丁寧にお尻についた便をふきとってくれている。床ずれの部分を見せてもらった。最初に発見したときよりも,あきらかに小さくなっている。赤いことは赤いが,まだ水ぶくれなどにはなっていない(なったら大変だが)。

ワタシがうるさく言っているおかげで,頻繁に体位を変えてくれているおかげだろう。このまま,ひどくならずに治まればイイけど。。。


ただ,床ずれとは別に,陰部の皮膚炎はかなり痛そうな様子。肛門周りだけではなく,玉のあたりの皮膚が真っ赤になっている。おしぼりで拭かれるたびに,父は「ひー」と言う。これでもだいぶマシになったそう。軟膏を塗ってくれた。


すっきりしたためか,父がすぐに目をつぶってしまうので,なんとか眠らさないようにとがんばる。母から預かってきた,絵葉書のファイルを父に見せる。

百貨店での美術展や,油彩画の個展などを見るのが,父も母も好きだった。絵画はそうそう買えないが,気に入った絵のポストカードを必ず2~3枚は買ってくる。そうして溜まった絵葉書を,母は小さなファイルにいれて保管している。父の好きな「ユトリロ」の美術展で買った絵葉書も,何枚もあった。


「ママから預かってきたよ」というと,父は食べ物かなにかだと思ったらしく,すごく嬉しそうにしたが,絵葉書だとわかると「そんなのいらないよ!」と言った。がっかりしたのかもしれない。


しかし,しばらくしてから「やっぱり見よう」と,手に取った。が,たいして興味もなさそうだった。イイ刺激になるかと思ったんだけどなぁ・・・・


4時前に,「もう疲れたから帰っていいか?」と尋ねる。ちょっと今日は疲れたなぁ。


父は,「バナナとサンドイッチはいつ持ってくるの?」とまた言う。昨日のことを覚えていたのか・・・

「パパ,それは食べられないよ。肺炎になったから食べられなくなったんやんか。無理無理
,当分無理だよ」と力なく言うと,「そんなこと言って一日のばしにするつもりだろう」ときた。かなりヘビーなひと言。。。


帰りに,ロッテリアでジャンクなものをたくさん食べて,百貨店で洋服を見た。バーゲンをしていたので,特に着るあてもないが,ベージュのシフォンのワンピースを1枚。いつか着よう。


いつもの果物屋で,オレンジといちぢくを買う。いちぢくは母のお土産。ちょっとまけてもらった。小さなラッキー。


5時半に帰宅。


久々にヤフーオークションに熱くなり,入札しまくる。2時まで夜更かし。あきらかにストレス解消だなぁ,これは。。。
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by rompop | 2007-08-11 14:47 | ホスピタル

2007・8・10 痛い。

父は今日もぼんやりした表情をしている。

看護師さんが「お嫁さんか娘さんか,来てくれはったよ~」と父に声をかける。「娘ですっっ!」と思いきり言う。


父は,ワタシがいる間中,うつらうつらしている。

熱は36℃台だが,下痢は相変わらずのよう。

いきなり頭がぼんやりしだしたコトについて。もしかしたら,今までの点滴を減らしたために,水分不足になっているのでは。それとも,やはり下痢で水分不足か。。。

父は水分不足になると,たちまち,ぼんやりする。点滴などで水分補給してもらうと,クリアになる。

看護師さんに尋ねても,要領を得なかったが,とりあえず栄養が十分でないので,明日から点滴を増やすとのこと。


「時間がよくわからない」と父。体内時計は狂ってしまったようだ。話しかけてもすぐに寝てしまうのであきらめた。


8時になり帰ろうとすると,父は目を開け,「明日,バナナとサンドイッチを買ってきて」と言う。


「パパ,無理やで。」「もうそろそろ,食べられるやろう。食べられなかったら,置いとく」「・・・・・・」


「頼んだよ,おやすみ」と父は目を閉じた。


しばらく立ったまま父の顔を見ていたが,父はもう目を開けなかった。
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by rompop | 2007-08-10 22:34 | ホスピタル

2007・8・9 夢かウツツか。。。

いつもの時間に病室へ。

父は,ぼんやりした顔をして,氷枕をして寝ていた。おでこに手をあてると,少し熱い。また,熱か。。。

熱でも栄養は入れるらしい。いつものように投入されてすぐに,「あ,ウンコが出てきた」と父。「え??」と,看護師さんにすぐに言うが,やっぱり無理だった。投入中はベッドを30度に起こしてあるし,投入後も30分はそのままだ。おむつ交換にはベッドをフラットにしなければならないが,そうすると,栄養が逆流してきて,誤嚥を起こす可能性があるから,怖い。


「気持ち悪いけど,このまま少し我慢してくださいね」と看護師さん。しかたがない。。。



今日の父は,どうしたコトか,起きていても,目がくっついて開かないらしく,ずっと目を閉じたまま喋っている。

「パパ,目あかへんの??開けてみ?」と言うと,無理矢理,開けてみせたが,またすぐにとじてしまう。眠いのか・・・?


そのくせ,落ちつきなく,しょっちゅう,喋りかけてくる。それが,ほとんど意味不明のコトばかり。


「今日は疲れたなぁ。姫路まで行ったから」
「別に今日,無理してリハビリしに姫路まで行くコトなかったんだ」
「朝,ここに『いかなごのくぎ煮』が置いてあったけど,誰が持ってきたんだろう?」
などなど。。。


かと思えば,目を閉じたまま,両手でおかしな手つきをするので,手をつかんで「手がどうかしたん??」と聞くと,「いや,手帖を見てるんだけどね」という。

どうやら,手帖を開いて読んだり,なにかをしきりに書き付けているようだ。


なんだか,ふざけているようにも,パントマイムをしてみせているようにも,見える。が,違うんだろうな。どうしちゃったんだろう。。。これってやっぱり,「幻視」とか「せん妄」とかってヤツだろうか。


「書き留めたい」としきりに言うので,引き出しからノートとボールペンを出して,手渡す。父はベッドを少し起こされて寝たままの体勢で,ミミズのような字で何かを書いていたが,「なんて書いたん?」とワタシがしきりに聞くと,「せわしないなぁ・・・」と不機嫌になり,「また,頭がすっきりしてる時に書こう」と,書くのを止めてしまった。


ふと見ると,ベッド脇には,ビニール袋に入れられた洗濯物が。あまり匂いはしないが,濡れている。パジャマが上下2組と,もう1本,パジャマのズボンだけ。肌着と靴下が1組ずつ。

昨夜から今夜にかけて,オシッコかウンコかわからないが,なんどか失敗して汚したのだろう。布団をめくると,パジャマの替えがもう無くなったので,薄いジャージのズボンをはいていた。


しょっちゅう,下痢をしてオムツを交換したり,パジャマを交換したりするので,よく眠れないのかもしれない。あるいは,3食の食事で身体を起こすわけでもないから,生活のリズムがまったく無くなってしまっているのだ。朝とか昼とか夜とか,そんな区別なしに,ただ寝ていて,時々栄養を入れられて,ワタシたちが来なければ,ずっと父はウトウトしているに違いない。一日中そんなだと,ここがどこで,今がいつなのか,夢なのか本当なのか,わからなくなってしまう。

その証拠に,ちゃんと目を覚ましているのに,父にはここが,時々「家」になってしまうようだった。でも,今日は,しっかりと窓のほうを指さして,「あそこの棚に本が置いてあるかなぁ」などと言うのが,ちょっと怖い。

そんなにおかしくなるほどの高熱があるわけでもないのに。父の頭の中は,どうなっているのだろう?


・・・・こんなだと,本当の本当に,呆けてしまうよ・・・・・



とりあえず,今夜失敗したら,もう着替えがないので,汚れ物を今すぐ洗うコトにした。病院の売店は閉まっているので,外のコンビニまで洗剤を買いに行き,洗面所にあるコインランドリーを使った。乾燥機は30分じゃ乾かないから,200円を入れて,1時間にした。あわてて,7時から始めたが,すべて終わるまで1時間半かかってしまう。


父は目を閉じて眠っていたかと思うと,急に目を閉じたまま,「そうそう,そう言えばねぇ」とか「なんだか不思議なんだけどねぇ」などと話しかけてくるので,父の顔のほうにパイプ椅子を置いて,返事をしながら,本を読んでいた。

夢の中か,あるいは「妄想」の中で,父はずっと本を読んでいたらしい。『坂の上の雲』だ。ベッドの柵から外へ右手をしきりに伸ばしては,なにかを取ろうとする。どうやら,そこには本棚があって,文庫本がずらっと並んでいるようなのだ。

ベッドから落っこちては困るので,特大のクッションをベッド柵に突っこんで防御しておいた。「パパ,そんなに乗り出したら,ベッドから落ちるから気をつけてよ」と言っても,他人事みたいに,「さぁ,どうだかねぇ」などと笑っている。


そして今夜も,「バナナと,おでんと,あと・・・大きな梅干し。食べたいなぁぁ」などと,夢見るような顔で言う。もうワタシも,困ってうろたえたりはしないが,「ホントにこれでヨカッタのか?」という気持ちがまた胸をよぎって,辛くなる。


8時半をすぎて,洗濯物はフカフカに乾いた。安心して,棚につめておく。オムツも弟が補充してたっぷりあるから,大丈夫。

でも,父のオムツはまだ交換できない。結構な匂いがしているから,かなりの量,出てしまっているようだ。

夜勤の看護師さんに,「時間がきたらすぐに替えてやってください」と,ダメもとでよくお願いしておく。あまりアテにはならないけれど。

それと,「今日はちょっとおかしいので,夜中にベッドから落ちないように・・・」とも念のため,言っておくが,「あぁ,なんか今日はちょっとソワソワしておられますもんね」とのコト。重篤な人がたくさんいる病院では,父のこんな不穏も,「ちょっとソワソワ」に過ぎないんだなぁ。。。


「帰るよ」と声をかけても,父は「おやすみ」と言いながらも,目は半開き。なんだか,妙に心もとない気持ち。


目が開かないのは,眠いせいだけなのかな。脳のほうの関係もあるのかもしれない。麻痺のあるほうの父の左目は,右目にくらべていつも開けにくいようだから。。。



9時前になってしまったので,タクシーを使って駅まで。お腹がすいた・・・・
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by rompop | 2007-08-09 20:54 | ホスピタル

ブレイクタイム☆『ムーミン絵皿』。。。

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サークルKで『ムーミン絵皿』もらいました♪
一生懸命,ランチにパン食べて点数集めた・・・(^^ゞ

ムーミンも北欧も,大好きです。
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by rompop | 2007-08-09 14:55

2007・8・8 ヒリヒリ。

6時半過ぎに病院についた。もう食事介助がないのだから,汗だくになって,息を切らして駆けつける必要はないのだけど,やっぱり夕方になると父のコトが気になってしかたがなく,やっぱり同じ電車に乗れるよう,ダッシュしてしまう。

栄養剤の投与が始まっていた。見覚えのある,ベージュ色のどろっとした栄養剤が,チューブを通して父の胃に入っていた。


今夜の父は,熱もさがり,ワタシの顔を見るなり,「あ!」と嬉しそうに手を伸ばしてきた。。。ので,よくわからないが,とりあえず,握手。

なんだか,喋りたいコトがたくさんあるらしい。どうやら,皮膚科のセンセイに診てもらったそうなのだが,それが,水虫のコトなのか,お尻(床ずれ)のコトなのか,よくわからない。もしかしたら,どちらも,なのかもしれないが,父の頭のなかでは,混じってしまっているよう。

「それは,足のコトか?お尻のコトか?」と尋ねても,「・・・頭が混乱してわからなくなっちゃった」と言う。で,しばらくしたら,「ふぅぅぅ」と深呼吸をしているので,心配になり,「喋るとしんどい?」と聞くと,「お姉ちゃんが,すぐに『それで?』とか『え?』と聞くから,一生懸命喋ろうとすると,しんどい」らしい。ふぅむ。相づちを打ったほうが,喋りやすいのではと思っていたが,どうも,ワタシは先走ってしまうようだ。


「お尻,どう?」と聞くと,「ヒリヒリする」と言うので,また不安になる。あれからお尻をちゃんと見ていないけど,大丈夫なのかなぁ。皮膚が赤くなっているのは,「床ずれ以前」ではなくて,立派な床ずれのステージ1だと,ネットで知ったばかり。エアマットも,なかなか空かないみたいだし。。。

看護師さんがやってきたので,「お尻がヒリヒリするって言うんですけど」と訴えると,どうやら,ヒリヒリしているのは,床ずれの部分ではなくて,もっと肛門の近くなのらしい。水溶便(下痢)がずっと続いているため,肛門とその周辺の皮膚が,かぶれて皮膚炎を起こしてしまったようなのだ。ワタシがついていれば,オムツが汚れたらすぐに気づくコトもできるが,日中,下痢でオムツが汚れても,看護師さんの手が空かなければ,すぐに替えてもらうコトができない時もあるだろう。

下痢便は,アルカリ性なので,皮膚に付着すると皮膚炎を起こしやすいらしい。

いちおう,看護師さんも注意して,体位変換や,軟膏を塗るなど,してくれているらしいのだが。。。不安!!栄養状態も悪かったからなぁ。。。床ずれは一度できると,大変なコトになってしまうと言うし。シーツやパジャマのちょっとしたシワも,床ずれの要因になるとは,全然知らなかった。父の身体は,ただ寝ているだけなのに,いろんなリスクに囲まれているんだなぁ,と実感する。

とりあえず,エアマットを待ちながら,なるべくマメに体位を変えてもらうコト。父にも,「傷が痛いかもしれないけど,ずっと上を向いて寝ないで自分でお尻の位置を変えるんやで!!」と言い聞かせる。でも,床ずれなんかになったコトのない父には,今ひとつ,危機感が伝わらないようで。。。傷口が痛いのか,どうしても,同じ姿勢になってしまうようだ。


水虫のコトは・・・看護師さんに聞きそびれた。


父はずっと,口をもぐもぐさせたり,口の中を舌で舐めたり,している。「口が渇くの?」と聞くと,「そう」と言う。看護師さんの話では,一日3回は口の中をぬぐったりしてくれているらしいが,それも,その時だけのモノなのだろう。口を開けて寝たりするものだから,余計に口の中は乾いてしまうに違いない。

看護師さんにいちおう聞いて,口の中を軽くぬぐってやる。コップに氷水をくんできて,薬局で買った滅菌ガーゼを浸して,あまり水分が残らないように搾り,口の中や舌の上をぬぐう。指が太いのと,父が唇に力を入れるせいで,全然うまくできない。それでも,3回ほど,ガーゼを替えてぬぐうと,少し口の中が潤ったようで,冷たさも気持ち良かったのか,一瞬だけど,父は満足そうだった。ついでに,熱いおしぼりで,顔や首筋を拭いてやる。

同じく薬局で買った,口腔ケア用のウェットシート。緑茶成分とミントが入っていて,口の中が爽やかになる,とのコトだったが,いまいち不評。試しに自分の口の中を拭いてみたら,なんだか薬くさい,イヤな後味だった。

看護師さんがこの間やっていたように,アイスキャンデーの棒みたいな,平たい木の棒にガーゼを巻き付けたほうが,口の中に入れやすいかもしれない。でも,今はまだ,熱が出たり下がったりの微妙な時期だから,口の中に入れるものは,雑菌が入らないように注意しなくては。。。


弟に言わせれば,こういうのも「自己満足」なのだろうか。でも,父は確かに喜んでいたと思う。


今日も父は,「あぁ~美味しいモノ食べたいなぁぁ」と言った。「水じゃなくて,栄養剤が胃に入ってるから,少しはお腹がふくれるんちがう?」と言うと,「あぁ・・・そうかなぁ」と,他人事のようだった。

そして,「そういえば,この頃,あまりむせないね」と言うので,「そりゃ,パパ,口から何も食べてないやんか。だからむせないんやで?」と言う。因果関係がわかっているようで,わかっていないのかなぁ。。。

とにかく,どうも,胃になにかを入れられているという実感が薄いようだ。とりあえず,早く栄養剤が身体になじんで,下痢が止まりますように。。。



またベッド脇で文庫本を読んでいたが,7時45分ぐらいに,父が「もう,帰ってくれてもいいよ。」と言う。「もう少しいるけど?」と言っても,「いやぁ・・・いてもらっても,してもらうコトないし・・・」と言う。別に居てほしくないのか,居てほしいけど,遠慮しているのかよくわからないけど,お言葉に甘えて帰る。

8時前に出ると,帰りに百貨店がまだ開いている。ちょっとだけでも,綺麗な洋服とか雑貨を眺めて,触って,それから帰る。


駅のホームで電車がなかなか来ないので,2羽いた,みすぼらしい鳩にバッグの中に入っていたビスケットをやっていたら,たちまち鳩の数が増えて,しかも,壮絶な突つきあいが始まったので,焦った。鳩の世界には,脳卒中とか無いんだろうなぁ。。。でも,生存競争の激しい世界も,これはこれで大変だ。
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by rompop | 2007-08-08 20:08 | ホスピタル

『幸福な食卓』。

瀬尾まいこ著『幸福な食卓』,読了。


この人の作品は,わりと好きだなぁ。。。
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by rompop | 2007-08-08 13:14 | 本&アート

2007・8・7 匂い。

夕方,病院へ着くと,ちょうど6時半過ぎだ。

廊下には夕食の配膳の大きなワゴンが並び,病棟中に,いろんな食事が混ざった,モワッとした匂いが立ちこめている。食欲をそそる匂いではないが,アルコールや薬品,尿や便の匂いに混じって,たしかに食べ物の匂いがする。


病院に通い出した頃は,この匂いにいつも,胸がむかむかした。今は・・・「父にはもう無関係な匂いなんだなぁ」と思うと,悲しくてたまらなくなる。


父はベッドを30度ぐらいに起こされて,また眠っていた。ワタシが着いてすぐに,少量の白湯が,胃へ投入された。

熱はなんとかおさまり,下痢も回数は減ってきているそう。お尻の床ずれ(もどき)には,軟膏が処方されていた。


傷はもう,ほとんど痛まないようだ。父は,うつらうつらしながらも,穏やかな顔をしていた。


主治医がやってきて,「経過は順調です」と言う。熱については,傷口の炎症も多少あり,また,内視鏡を使って手術をしたため,その際に誤嚥した可能性もあります,との説明だった。多少の発熱はしかたないのかもしれない。

明日から,いよいよ栄養剤を少しずつ入れていく,とのコト。医者や看護師が,この栄養剤のコトを「お食事」というのが,どうも抵抗感がある。ワタシの中に,まだ「胃ろう」を前向きに捉えられていない部分が,きっとあるのだろう。


父は無精ヒゲがずいぶん生えていた。傷が痛い時に,ヒゲなんて・・・と放置していたのだが,調子が良さそうだったので,剃ってやった。そして,給湯室においてある熱いおしぼりで,顔や首のあたり,両の手のひらなどを拭いてやった。

ヒゲがすっきりした父は,とても綺麗な顔になった。「ごま塩」のヒゲが生えているだけで,とてもすさんだ「病人」というカンジがするから,ワタシは嫌いだ。


「明日から,栄養剤を入れるって」と父に説明すると,「うん」とだけ言う。もう,何をされても,父はそのまま,受け入れるしかないのだろう。


少しウトウトしているので,文庫本を読んでいた。父の食事介助がなくなってから,ワタシも弟も,気をはって「やるコト」がなくなってしまった。父のそばにいても,何をしてよいのか,わからない。


突然父が目を覚まして大あくびをし,「あぁぁ,サンドイッチが食べたいなぁ・・・」と言ったので,返事に困った。

「・・・パパ・・・それは無理やで・・・だって,肺につまって肺炎になったんやんか・・・」とやっと言うと,「そうだね。でもずっと絶食だもんなぁ・・・」

もう無理だとわかって言っているのか,今は無理だけどそのうち食べられるようになると思って,言っているのか。

さっき主治医が,「口からも食べられるように練習しましょうね。すぐには無理ですけど,栄養剤のほうが落ち着いたら・・・」と言ったから,だろうか。


8時に病室を出る。「もう帰るよ」と声をかけると,「あぁ,電車の時間があるもんね」と父が言うので,つい,うっかり「ワタシも早く帰ってご飯食べなアカンしなぁ」と言ってしまった。

・・・いろいろ,気を使う。


帰宅。

朝,電話で弟と,また軽くやりあってしまったので,顔をあわせたくない。向こうもそうらしく,ワタシが帰ってからは,一度も階下におりてこない。母と,お喋りをしながら,ご飯。どうも,ずっと胃の具合が悪くて,痛む。あまり食欲がない。マズイな・・・


早く寝ればイイものを,また,ずるずると『ベルばら』の録画を観てしまった。はぁぁ,懐かしい・・・・
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by rompop | 2007-08-08 10:57 | ホスピタル

ブレイクタイム☆。。。『ベルばら』。

先週末,BS放送で,ものすごく懐かしい放映をやってた。
昭和50年宝塚花組の『ベルサイユのばら~オスカルとアンドレ編』!!


懐かしすぎる。。。だってこれ,リアルタイムで観た舞台だもの。
たしかワタシは,身長だけは160センチもあったけど,まだ小6だったと思う。
小学生の癖にこれで宝塚にはまってしまい,何度も観に行ったなぁ。
始発電車で出かけて,大劇場の楽屋口で「入り待ち」,
終演後は,もちろん,「出待ち」。

といっても,親衛隊がスクラム組んでいて,スターさんには近づけなかったので
「花の道」から,ただぼんやり眺めていただけなんだけどね。


ワタシが好きだったのは,安奈淳さんと汀夏子さん。
『宝塚グラフ』に『宝塚おとめ』は,毎号買っていたし,ブロマイドもたくさん。
部屋には,特大のポスターを貼って。
唄がばつぐんに巧かった安奈淳さんのLP『安奈淳の世界』は,
すりきれるほど,リピして聞いた。。。

・・・でも,あれ?あの頃って,お小遣いいくらだったんだろう?
それに,友達と一緒とはいえ,始発電車でよく何度も行かせてもらえたよなぁ。


で,懐かしさでブルブル震えながら,録画を観ました。
もちろん,画像は悪いし,大幅にカットされていたけど,
いやぁ・・・・いっきに最後まで観てしまいました。眠くて疲れているのに・・・

宝塚を知らない人が見たら,「_・)ぷっ」と思わず笑ってしまうところが
きっとたくさんあると思う。
いかにも「宝塚的お約束」の台詞回しや,動きが満載。
ワタシですら,久々に観たものだから,ちょっと笑ってしまうところがいくつか。

でも・・・やっぱり宝塚は凄いな。というか,「ベルばら」は偉大だ。
いくつかの場面で,やっぱり昔と同じく涙が出たもん。

30年ぶりに観たのに,劇中歌は全部,ちゃんと歌えたし,
いくつかの場面は,音楽まではっきり覚えてた。
バスティーユの戦闘の場面なんて,おぼろげだけど,
振り付けまで覚えてたものなぁ。

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ワタシの好きだった安奈淳さんがオスカル。
アンドレは,当時はどちらかというと,苦手だった,榛名由梨さん。

友達は榛名由梨さんのファンだったけど,ワタシはいつもけなしていた。
地味なカンジだったし,ちょっと太めだったし,全然カッコイイと思わなかった。

ところが,何というコトか,今になって,榛名由梨さんの凄さと魅力に気づいた。
榛名アンドレのなんという魅力。。。
芝居も巧い,唄もいい,なにより・・・・カッコイイ。
線の細いオスカルを包みこむ,包容力。男っぽさ。
オスカルを想って,男泣きに泣く,苦悩の表情の色っぽさ。

小6のガキには,わからなかったんだな・・・この魅力が。
44歳の今ならわかる。
うう・・・女が演じてる男なのに,本物のフェロモンがある・・・
ラブシーンでやけにドキドキする。
それでこのラブシーン,とりあえず,ものすごく美しい。
なんでも,美しく見せるために,ものすごくしんどい体勢をキープしたそうなんだけど。

演出は長谷川一夫氏。
「目に星を出せ」だの,とんでもない演出をしたらしいのだけど,
オスカルを思いながら,天に向かって唄う榛名アンドレの目,
庭園のベンチでオスカルに膝枕をしながら,
「星が綺麗だ・・・」と夜空を仰ぎ見る榛名アンドレの目,
確かに,キラキラキラキラ,濡れたように光っておりました。
劇画チックに見えた・・・ビックリよ。
多分,目線の角度と照明の具合を計算したんでしょうけど。


はっきり言って,今現在の宝塚のスターさんたちは,
ワタシよりもずんと若くて,綺麗なんだけど,あんまりドキドキしないかな。
3年ぐらい前,久々に大劇場で観てみたけど
「綺麗なお姉ちゃんたちだな~ええ目の保養になったワ」な
オヤジ的な感慨しかなかったものなぁ。。。

でも,当時の榛名由梨さんだって,20代とは言わないまでも
いってても30代半ばまででしょう。
どうして今観て,こんなにドキドキしちゃうのかな。
ひとえに芸の素晴らしさ。もちろん,天賦の才もあるでしょうが。
今気づいたって,遅いんだよね。

惜しいコトしたなぁ・・・
全然興味がなかったから,彼女の組(月組)の公演,ほとんど観ていないんだもの。
花組と雪組ばっか観てた。
ホントにこればっかりは,後悔してもどうにもならない悔しさですよ。まったく。


宝塚の古い古い作品がたまにオンエアされるらしい,というだけで
「スカパー!」に入ろうかと考え始めているワタシ。。。
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by rompop | 2007-08-07 14:48 | 映画・舞台・音楽