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見舞い。

10時に起きて,朝食は,チクワの卵とじ,もやしとニラの炒め物,梅干と,ご飯。

父に持って行ってやるウォークマンのイヤホンの,「イヤーパッド」を買いに,自転車でコーナンへ。乾電池と,ビデオテープを買って,ペットショップの犬をチラとだけ見て,いそいで帰る。

1時にタクシーを呼び,今日は母と,病院へ。

休日の病院は,外来患者がいない分,シンとしている。正面玄関は閉まっていたので,救急外来の入り口から中へ入る。

父は,ベッドに横になって,『週刊朝日』を読んでいた。母の顔を見ると,やはり嬉しそうな顔になる。頼まれて持っていったクラシックのCDと,カセットテープ。父は,クラシックが好きで,いつも聴いている。CDウォークマンと,カセットウォークマンを両方持ってきたが,操作ボタンが小さく,英語で書かれているため,少し難しそうだ。しかし,病室にステレオはないから,これで聴くしかない。説明書を見せながら,最低限の操作だけ,説明する。わかったような,わからないような。大丈夫かな。「暇なんだから,ゆっくり説明書みながら,やってみれば」と,母は楽天的だ。

隣のベッドに寝ている,陰気な感じの若い男性のもとに,奥さんらしき女性がやってきた。怒鳴りつけるような大声で,ぽんぽんと物を言い,「明日は来ませんからね!わかった?」と,吐き棄てるように言って,洗濯物だけ持って,すぐに帰ってしまった。男性は,「ああ」とか「うう」とか,返事をしているだけだった。怖い。この男性は,いつも憂鬱そうな,陰気な顔つきをしているが,奥さんがあんなだったら,無理もないかもしれない。早く治して,家に帰りたい,と素直に思えないだろう。

しばらくして,母が「そろそろ失礼しよか」と言うので,帰るコトにした。父はまた,玄関まで見送りに来て,ワタシたちが見えなくなるまで,手を振っていた。

駅の下のスーパーで,ステーキ肉,かき揚げ,レトルトのカレー,などを買う。

帰りはタクシーではなく,電車に乗った。4月に骨折して以来,母は,初めて電車に乗った。ホームまでは,エレベーターで。ワタシたちの住む駅は,隣の駅だが,駅前ではタクシーが拾えないので,1つ向こうの駅まで行って電車を降り,駅前のロータリーから,タクシーに乗った。そうすると,ずいぶん,タクシー代が安くあがるのだ。エレベーターのついていない駅の階段を,歩いて下りなければならないが,手すりにつかまりながら,母は,ゆっくりと下りた。

タクシーに乗る前,駅前のパン屋で,パンを3つ。そして,雑貨屋の店先にあった,特価のカートを母は買った。黒いシンプルなものだが,値段は1,000円。これで,スーパーへ行き,買ったモノを入れて,引いてくるコトができる。

帰宅。

曽我さん一家来日のニュースを見ながら,うとうとと眠ってしまった。

夕食は,ブラックペッパーがたっぷりのステーキ,しし唐の醤油炒め,ゴーヤとツナのマヨネーズ和え,ナスの味噌汁,レタス。

8時からは,母と一緒に『新撰組』を見て,15分でシャワーを浴び,9時からは『逃亡者』。ハリソン・フォードが主演した,この映画,大好きだった。
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by rompop | 2004-07-18 18:25 | ホスピタル

膝が,痛い。

昨夜,遅くまで『私をスキーに連れてって』のビデオを観ていた。若かりし頃の三上博史。野暮で冴えないが,スキーをさせたらピカイチのサラリーマン役。そして,まだ初々しさの残る,原田知世の可愛いコト。BGMは,懐かしいユーミンの楽曲。こういうモノを観ると,「レンアイのときめき」を思い出す。

今朝は,10時近くまで,寝ていた。腰がだるい。起きだして,チーズの入ったパンとミルクで朝食。スーパーへ行くついでに,整骨院で,腰と左膝に電気をあて,マッサージをしてもらう。膝には,テーピングをしてもらった。人間,腰とか足に故障が出ると,とても不安になる。要するに,「歩けなくなったらどうしよう」という不安だ。人間にとって,「ちゃんと自分の足で歩ける」というコトは,とても大きなコトらしい。老人も,自分で歩けなくなった途端に,弱っていく,らしい。

さて。今日も暑い。しかし,病院へ行ってやらねば。母は,昨日の疲れが出て,背中が痛い,という。ワタシも,できれば家でのんびりしたいが,父はきっと,誰かが来るのを,密かに待っているコトだろう。家にいても,どうせ気になるから,行くコトにした。

2時。一番暑い盛りに,家を出る。駅に着いた後,ドラッグストアでヘアカラー(特価)を買い,市場で三度豆を買い,父のために,「力餅」で,おはぎと草餅を3個,買う。病院について,売店でお茶を買おうとしたら,防災訓練の真っ最中で,売店は閉まっていた。ため息をつきながら,また外へ出て,路上の自販機で,お茶を2本。

背中まで汗でびっしょりだ。父はベッドの上に腰掛けて,本を読んでいた。母が今日は来れない,というと,かすかにガッカリした顔をした。やはり,母に来て欲しかったのだろう。

新しい下着や,マグカップなど,持ってきた物を戸棚にしまう。「寝ていると,起きた時にふらふらするから」と,なるだけ,ベッドに寝ないよう,散歩するようにしている,とのコト。昨日,喜んで食べていた食事も,間違いだったようで,昨日の夕食から「老人食」に変えられたらしい。薄い味付けで,量も少なく,「全然美味しくない」らしい。ほかに楽しみもないのに,お気の毒。しかし,あのご馳走を毎食食べていたら,カロリーオーバーで,かえって健康に悪そうだ。

持ってきた「おはぎ」も,お腹が空かないらしく,父は食べなかった。ワタシは,1個,手づかみで食べる。なかなか,美味しい。

父を誘って,病院内を散歩に出かける。他の病棟へ歩いて行ってみた。巨大な病院なので,めくらめっぽうに歩いても,そのたびに違う場所へ出る。なかなか,面白い。それにしても,どうしてこの病院は,こんなに暑いのだろう。冷房なんて,ほとんど効いていやしない。

しばらく歩いて病室へ戻り,肌着を替えさせる。洗面所へ行き,タオルを熱い湯で絞って,背中を拭いてやる。恥ずかしがるかと思ったが,父は,素直にワタシに背中を拭かせた。ガリガリに痩せた,シミのいっぱい浮き出た,父の背中を,初めてじっくりと見た。「ああ,さっぱりした」と,父は少し嬉しそうだ。3回,洗面所へ行ってタオルを絞り,顔や腕などは,自分で拭いてもらう。新しい下着に着替えてもらい,汚れたものは,持ち帰る。病室に洗面台があれば,便利なのにな。

1時間半ほどいたが,話のネタも無くなった。父が「悪いから,もう,帰ってもらってもいいよ」と,言ったので,「じゃあ」と帰るコトにした。そろそろ1人になりたいのかもしれない。昨日のように,1階の玄関まで,父は見送りにきた。「ママによろしく」と,手を振っていた。

面倒くさかったが,とりあえず,来てよかった,と思いつつ,少し涼しくなった街を歩く。バス停の近くで,車に轢かれたばかりのハトを見て,思わず悲鳴をあげる。可哀相に。しかし,ハトというものは,いつも,目先に何か食べる物が落ちていないかどうか,そんなコトしか考えていないように見える。バスに轢かれるまで,地面ばかり見て,路上へ出てきてしまったのだろう。南無阿弥陀仏。

書店で,少し本を物色。しかし,何も買わずに帰る。

ホームの売店で,空腹に気づく。今日は,昼を食べていなかった。瓶のコーヒー牛乳をその場でごくごくと立ち飲み。

5時過ぎ,帰宅。父の様子を母に知らせる。

夕食は,ブラックペッパーがたっぷりついた,ステーキ肉。レタスとトマト,納豆。辛子明太子。

また1枚,ミカミのCDが届いていた。
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by rompop | 2004-07-17 18:24 | ホスピタル

入院。

7時半に起床。

昨夜,残した,鶏肉と玉ねぎのおかずを食べ,梅干でご飯を一杯。麦茶。

用意をして,8時半過ぎにタクシーを呼ぶ。

父が「行ってきます,留守中よろしく」と,低姿勢で挨拶をしているのに,弟は,ただ「はい」と言うだけ。「なんか,他に言うコトないのか」と,ワタシの胸の中は,怒りが渦を巻く。ワタシがわざわざ休みを取って付き添うのが,不服らしい。母たちには,「自分に言ってくれれば,荷物運びくらいするのに」と,ぐちぐち言ったらしいが,気軽にそんなコトを頼めない雰囲気を醸し出しているのは,自分だということを,彼は自覚していない。恩着せがましく荷物を運ばれたって,父も母も,気を使い疲れるだけだ。

昨夜から,ずっと弟には腹立たしい思いをしていた。ワタシたちがタクシーを待つ間,弟は,ずっと黙って玄関に立っていたが,ワタシは,彼に背を向けて黙って座っていた。タクシーが来ても,目も合わさず,さっさと1人で荷物を運んだ。

9時過ぎに病院に到着。入院手続きを済ませる。入院手続きのカウンターの向こうに,見覚えのある顔を見つけた。名札には,覚えのある名前。彼女をワタシは確かに知っている。中学か,高校かで,同じクラスだったYさんだ。向こうはワタシに気づかなかったが,なんだか,少し嬉しくなる。そう仲の良い人ではなかったし,あまり話した記憶もないが,懐かしかった。左手の薬指には,指輪はない。名字も変わっていない。独身で,地元でずっと働いていたのか,と思うと,さらに嬉しかった。

放射線科の外来でしばらく待たされ,ナースに案内されて,病室へ。巨大な大学病院の,迷路のような廊下を歩いて,3号館の4階,34病棟へ。大きな病院で,増築を繰り返し,外観はとてもキレイだが,病棟はかなり古く,トイレなどは汚かった。少し,気が滅入る。父は,パリパリに緊張している。

案内されたのは,4人部屋。窓際は光が入り,明るい印象だが,父のベッドは,廊下に面した扉のすぐ近く。目隠しのためにカーテンをひくと,陰気な感じだ。しかし,空きがないのなら,贅沢は言えない。

父は下着を着替え,ワタシは,タオルや下着を,棚に入れる。梅干と「ごはんですよ」は,冷蔵庫へ。小さいが,冷蔵庫が1台ずつあるのは,ありがたい。冷房はあまり効いておらず,少し蒸し暑い。母は,うちわを使いながら,「暑いね」と,言う。

この病棟は,放射線科の患者ばかりだそう。というと,ガン患者が多いのか。同室の患者さんたちも,あまり具合が良くなさそうだ。

昼食時までの間,さしてするコトもなく,担当のナースが問診にやってきて,血圧などを測っただけだった。父は,まだ緊張していて,少し血圧が高くなっている。しかし,ナースは優しく,親切だ。この病院は,2人の患者に1人の割合で,ナースがいるらしい。

昼食。どんな食事か案じていたが,普通食の父のトレイには,美味しそうな汁と,ブロッコリーや,ベーコンを巻いたポテト,そして,たっぷりの麻婆豆腐がついてきた。ご飯は,山盛りの白米。「うわぁ,ご馳走やね」「たくさんある」と,思わず声が出る。同室の患者さんが,あちらのベッドから,こっちを覗きこんでいるのが見えた。彼は病人食らしく,だしまき卵などの,あっさりしたメニュウ。

父は,嬉しそうに箸をとり,「家の昼ご飯より,ずっとイイ」と,食べ始めた。一口食べて「美味しいわ」と笑顔。

母とワタシは,1階のレストランへ。ワタシたちも,お腹が,ペコペコだ。とんかつ定食を頼む。650円。ここのレストランは,割と美味しいのだ。付け合せのサラダやレタスまで,ぺろりと平らげる。

ミネラルウォーターを売店で買って,父の病室へ戻る。病室へ戻ると,主治医のドクターが父のベッドの脇に立っていた。主治医は,当初の話とは違って,若いドクターが2人つくコトになった。それをナースから聞かされ,母はだいぶ慌てた。ドクターへ渡す,心づけの入った封筒を,1つしか用意していなかったのだ。それで,先ほどワタシが売店に封筒を走って買いにいき,あらためてお札を入れなおし,筆ペンで父の名を書いたものを,2つ作ったのだ。

「放射線も,痛くもなんともないですよ,たまに服作用で下痢になる人がいますが,すぐにお薬を出しますので,言ってください」と,温和な笑顔の,優しそうなドクターだ。それにしても,まだかなり若い。ワタシが横目で見ていると,母はバッグから,封筒をこそこそと出し,タイミングを見計らって,「先生,どうもお世話になります」と,封筒を渡した。若いドクターは,「え。どうもありがとうございます」と,意外なほど素直に,遠慮もなく,しかし,封筒を押し戴くようにして,頭を下げ,あっさりと受け取って,ポケットにねじ込んだ。少し,驚いた。もらい慣れているのだな,と感じた。

あとは,内照射をしていただく,助教授クラスのIドクターだ。しかし,いつもナースをたくさん引き連れているので,手渡すのは,なかなか難しいだろう。今日は,会えなかったので,母はあきらめた。

1時半,ナースが父を呼びにやってきた。放射線治療のシュミレーションをする,と言う。また迷路のような廊下を歩き,6号館の地下にある,放射線治療室へ。ひんやりと,うすら寒い,地下の廊下。誰もいないベンチに,母は,サンダルを脱いで上がり,バッグを枕に横になった。「背中がだんだん痛くなってきた」

父は,若いナースに連れられて,ニコニコしながら,治療室へ消えた。20分くらい,かかるらしい。ワタシは,母に頼まれた用事を済ませるために,市役所へ出かけるコトにした。

迷いながら,地上へ出る。とたんに,うだるような熱気に包まれる。なんという,暑さ。血圧がどうにかなりそうな陽気だ。しかし,帽子を目深にかぶり,ひたすら歩く。母は「タクシーを使って」と言ったが,歩けない距離ではないし,無駄遣いはしたくない。

10分ほど歩き,市役所へ着いた。母が,背中を圧迫骨折した時に,特注で作ったコルセットは3万円近くした。老人医療の補助の請求をすれば,9割が返ってくる。窓口で,請求書に記入し,印鑑を押す。あっという間に,受理された。母がずっと気にしていたお金だった。

次は,国民健康保険課の窓口で,来月受ける,「脳ドッグ」の補助の申請。市のホームページを検索していて,偶然に見つけたのだが,国民健康保険に加入していて,人間ドッグや脳ドッグを受けると,その費用の何割か,補助金が出る。上限は3万円。保険証を見せると,コンピューターで未納がないかどうか確認し,すぐに決定書を出してくれた。受診した後,領収書を持って,あらためて,請求にくれば,お金が返ってくる。予約した脳ドッグは,6万円以上するが,3万円が補助されれば,半額で済む。とてもありがたい。

平日,家にごろごろしている弟に,母が遠まわしに,これらの手続きに行かねばならないコトを話した時,彼は「僕が行ってやる」とは決して言わずに,「ふうん」と言っただけだった。それ以上,母は,頼めなかったらしい。「無職だから,ああいう役所に平日に行くのは,イヤみたい」と母は言うが,そんなの,ワタシに言わせれば,なんの理由にもならない。役立たず,と心の中で,毒づく。

気になっていた用事が,いっぺんに済んで,すっきりした。帰りに,いつもの市場に寄って,巨大なゴーヤ,なすび(4個で150円),きゅうり(6本100円),しし唐(2パック150円)などを買う。母の好きな,がんもどき(220円)。

冷たいお茶のペットボトルを買い,4時前に,病室へ戻る。父は,パジャマを脱ぎ,母と2人でベッドに並んで腰かけ,「暑い暑い」と,うちわを使っていた。

心配していた,放射線治療を初めて受け,「痛くも痒くもなんともなかった」らしく,父は少しリラックスしたようだ。入院前の,あの憂鬱さがどこかへ行ったように,笑顔が出る。父の話では,放射線の技師も,ナースも,とにかく親切で優しいようだ。それで,安心したのかもしれない。

5時前,母はだいぶ疲れたようだ。夕食が運ばれてくる前に,「もう,帰るわ,悪いけど」と言うので,帰るコトにした。母の体調も大事だ。父が1階の正面玄関まで,見送りにきた。別れ際,手を振りながら,ものすごくニコニコしている。「パパ,なんであんなに笑ってんの?」「さぁ,照れくさいんちがう?」と言いながら,去る。振り返ると,父はまだ,手を振っていた。

父は,明日は無理して来なくてもいいよ,と言いながらも,なんとなく来て欲しそうだった。明日は土曜なので,放射線治療もなく,父には何もするコトがない。ワタシ1人だけでも,少し行ってやろう,と思う。2日連続の外出は,母には無理だ。
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by rompop | 2004-07-16 18:24 | ホスピタル