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勘弁,して。

午前8時ごろ,弟が部屋のドアをノックする。出かける支度をした弟が顔をのぞかせ,「お母さんがな,昨日の夜中に・・・」と話しだした時は,心臓が止まりそうになった。よく話を聞くと,トイレに立とうとした時に,母は転んで尻餅をつき,その拍子に柱に頭もぶつけ,腰が痛くて動けなくなったので,病院へ連れて行く,という。

とりあえず,心臓や血圧で意識がない,などという事態ではない。が,頭を打ったというのは,心配だ。腰も,骨折でなければ良いが。

飛び起きて,階下へ。母は炬燵に腰をかけ,ズボンをはきかけて,痛くて唸っている。少し動いても,激痛が走るようだ。父はオロオロと様子を見守っている。母を抱きかかえて立たせ,ズボンをはかせ,セーターを着せる。いわれるままに,保険証と財布を母のバッグに入れる。糖尿の母は,喉が渇きやすいので,ペットボトルに水を入れ,空腹で血糖値が下がると気分が悪くなるので,「ビスコ」を一緒にバッグに押し込む。

父は,モタモタと自分も服を着て,ズボンのベルトを締めている。自分も一緒に行くつもりだ。気持ちはわかるが,弟に任せれば良い。父は母の体重を支えるコトなど,できないと思う。「家で待っていよう」と,父に声をかける。

タクシーがやってきた。うんうん唸る母に肩をかし,タクシーに乗せる。

しばし,呆然としたあと,風呂掃除と洗濯をする。母はあの調子では,当分,動けないだろう。風邪薬を飲むため,冷蔵庫にあった昨日のおかずの残りと梅干で,ご飯を食べる。風邪薬を飲む。喉の具合は,ぜんぜんマシになっていない。

10時半ごろ,急に2人は帰って来た。母は自分で歩いて,玄関を入ってきた。痛み止めの座薬と湿布,そして,胸の下にコルセットをしてもらい,少し楽になったようだ。CTスキャンの結果,頭は今のところダイジョウブ,腰は「圧迫骨折」とのコト。どこかの骨が少し潰れてしまっているらしいが,安静にして,自然治癒するしかナイそうだ。

痛みで疲れたようで,母はぐったりと,服のままで布団に寝てしまった。1度立ってしまえばそうでもないが,体勢を変える時に,相当痛いようだ。

どうして,こんなコトになるのか。もう,勘弁してくれ,と言いたい気分だ。しかし,言わない。言っても仕方がないし,本人が一番そう思っているだろう。

母がこうなると,とたんに食事のコトで頭が痛くなる。ワタシは,家事の中でも,とりわけ料理が苦手なのだ。

とりあえず,数日分の食料の買い出しにスーパーへ出かける。あらかじめ,不足している野菜などをメモしてきた。メモを見ながら,すぐに食べられるもの,日持ちのするもの,弟や父が自分でできるもの,などを考えながら,カゴに放り込んでゆく。昼食用に,母が「おにぎり」,父が「いなり寿司」と所望したので,それを買う。弟は遠慮してか「あるもので食べる」と言う。温めるだけのスパゲティソースや,インスタントラーメン,などを買う。ずいぶん買い過ぎた,と思ったら,6,000円近く使ってしまった。

母は,とても堅実な買い物をする。基本的に,その日に食べる物だけを,献立を考えながら,きっちりと買うようだ。1日の買い物に,2,000円ほどしか使わない。しかし,これは非常事態だから,仕方が無い。

帰りにクリーニング済みの衣類も受け取って,と考えていたが,とんでもなかった。スーパーのビニール袋(特大)3袋ぶんの買い物。自転車をぐらぐらさせながら,ゆっくり帰る。がに股で自転車をこぐ,ジーパンにトレーナー,日よけ兼「すっぴん」隠しのためのツバの広い帽子を目深にかぶったワタシは,ただの中年のオバサンだ。

食料を冷蔵庫に放り込み,またクリーニング屋に自転車で戻る。冬物のコートやセーターなど,どっさり持ち帰る。また自転車をぐらぐら漕いで,がに股で帰ってくる。

あひるご飯は,納豆チャーハン。卵とネギとレタス入り。たくさん食べる。しかし,考え事をしていて,食後に風邪薬を飲んだのかどうなのか,わからなくなってしまった。情けないコト,この上なし。自分的には7割がた,飲んでいない,と思うのだが,自信がないので念のため飲むのを止めておいた。

母が,便秘予防とピロリ菌対策で毎日食べているヨーグルトが切れている。このヨーグルトは,駅前のほうのスーパーが一番安い。母は「風邪気味なのに,もういいよ」と言うが,毎日欠かさず食べている物なので,また買い出しに出かける。5つ買い,帰りに「コーナン」へ寄って,衣装カバーとダンボール箱を1枚,買う。薬局の店先で,「アリナミンV」を一気飲み。もう,人からどう見えようが,どうでもイイ。

帰宅したら,さすがに疲れた。昨夜は夜更かししていたので,あまり睡眠が摂れていない。目覚ましをかけ,30分だけ昼寝。全然眠れないうちに,4時になる。

階下へ降りたら,弟が米を磨いでくれていた。洗濯物は父が取り込んで,乱雑にたたんであった。

トマトの湯むきをして,器に分け,ネギとアゲの味噌汁を作る。ほうれん草の胡麻和え。あとは,アジの干物もあるし,弟にはベビーホタテを買ってきた。たいしたモノを作っていないのに,嫌に疲れた。そして,味噌汁は辛すぎ,ほうれん草のゴマは焦がして,苦くなった。自己嫌悪。

7時過ぎ,父と母と一緒に夕食。母は,2度目の座薬が効いたようで,ソロソロと用心深く,キッチンの椅子に座った。ベビーホタテのバター焼き,エリンギとえのき竹の醤油炒め,ほうれん草胡麻和え,アゲとネギの味噌汁,トマト。昨夜のおかずの残りなども並べ,美味しく食べた。母は,腰のほうに全神経が行っており,食欲はあるが,味はあまりわからないようだった。

食後,風邪薬をしっかり飲む。早く眠らなくては。母は,夜中に鎮痛剤が切れたとき,痛がらないだろうか。
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by rompop | 2004-04-11 14:29 | ホスピタル