カテゴリ:ホスピタル( 223 )

2007・8・12 何を,食べている?

11時まで眠っていた。あひるご飯は,母が買ってきたおにぎり2個と,自分で焼いた卵焼き。


2時過ぎに家を出た。今日も暑いなぁ・・・駅の売店で朝刊を買って行く。


3時に病室についた。父はちゃんと起きていた。昨日あんなに酷かった下痢も,今日は止まっているようだ。少しホッとする。便通は,つまっても困るが,緩すぎても本人の負担も大きい。


熱もないようだ。父は持ってきた新聞を,老眼鏡をかけて少し読んだ。ページがめくりにくいので,ワタシがめくり,小さく折って父に持たせた。

少し読んだあとで,「目がかゆい」としきりに言って,読むのをやめてしまう。今日は日曜なので診察は受けられないので,かゆみが続くようなら眼科を受診しましょう,と看護師さんが言われるので,お任せするコトにする。


新聞をやめてしまうと,もうするコトがない。テレビも見たくない,といい,父はじきに目をつぶってしまった。あぁ,また寝てしまう・・・・・


文庫本を読みながら,ちらちらと父の寝顔を見ていた。しきりに口をモグモグと動かすと,右手を布団から出して,なにかをすくうようにして口に運んだ。何かを食べている・・・?


父は急にパチリと目を開けて,「あれぇ?今,スプーンをもってたんだけど」と不思議そうに言った。寝ぼけているのだ。あんなに不味いと嫌がっていたミキサー食を食べている夢でも,見ていたのだろうか?


「おしっこ出た」というので,尿取りパッドを交換する。尿がたっぷりしみこんだパットは,ずっしりと重く,なにか香ばしいような匂いがする。これが人間の尿の匂いなんだなぁ・・・・


熱いおしぼりをもらってきて,顔と手のひらを拭く。父の手のひらは,どうしてか,いつも湿ってニチャニチャしている。


6時半から栄養剤が滴下された。ベッドを30度の角度で起こされた父は,今は目を開けてまっすぐ前を見ている。父の目の先には,栄養剤を入れたボトルがぶら下がっている。

沈黙が耐え切れなくて,無理やりおしゃべりをしようとするが,うまくいかない。


疲れたので,7時ごろに帰ることにする。もう少し遅めに来て,この栄養剤を入れているなんともいえない時間帯に,一緒にいてあげたほうがいいのかなぁ・・・などと考える。


百貨店が開いていたので,また少しウィンドウショッピングをして,リフレッシュして帰る。
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by rompop | 2007-08-12 14:24 | ホスピタル

2007・8・11 泥の池。

いつもと同じ時間に起きた。予約は取っていないが,かかりつけの胃腸科へいき,胃カメラをやってもらおうと思う。いつもそうしているので,昨夜は9時に夕食を終え,朝食も抜いた。


8時半前に受付。ところが,いつも診ていただいているドクターが臨時でお休みとの事。運が悪かった・・・・


胃カメラは,はっきり言ってドクターの技術がモノを言うからなぁ。。。診察してくれたのは,一ヶ月前と同じく,患者の顔をまったく見ない,不機嫌な物言いをする最低な印象のドクター。とりあえず,ワタシもあまりこの人とはしゃべりたくないので,薬だけを出してもらうように頼んで,胃カメラの予約をして帰ろう。


一か月分も薬をくれた・・・・・まぁ,いいっか。



予定よりずいぶん早く終わってしまった。とりあえず,朝食だ。24時間営業の店で,「目玉焼き朝定食」(450円)を食べる。目玉焼き(小さい・・・)と炒めたウィンナーが2本。味噌汁,青菜とあげのおひたし,味付け海苔。(旅館の朝食みたい)

ご飯のお代わりは自由なので,1杯半食べた。最後は備え付けのお漬物でお茶漬け。


11時からマッサージの予約を取っておいたので,食べ終えてすぐにダッシュ。30分間の至福のひととき・・・「おそろしいぐらい,あちこちお疲れですねぇ」と呆れられる。そうだろうな。体中のどこを触られても,とりあえずは痛いから。


12時前に病院へ着いた。


廊下に便の匂いが流れている。臭い・・・父の病室に近づくにつれて匂いが強くなる。「まさか」と思ったら,そのまさかの父の便の匂いだった。ベッド脇が最高に匂う。


「パパ,うんこ出てるんちがう?」と何度聞いても「いや,出てないよ」と言う。そんなはずはない。しばらくして看護師さんがやってきたので,「絶対便が出ていると思うんですけど」と,オムツをあけてもらった。


案の定,「出てないよ」の父のオムツは,泥の池のようになっていた。うう・・・おしぼりで,丁寧にお尻についた便をふきとってくれている。床ずれの部分を見せてもらった。最初に発見したときよりも,あきらかに小さくなっている。赤いことは赤いが,まだ水ぶくれなどにはなっていない(なったら大変だが)。

ワタシがうるさく言っているおかげで,頻繁に体位を変えてくれているおかげだろう。このまま,ひどくならずに治まればイイけど。。。


ただ,床ずれとは別に,陰部の皮膚炎はかなり痛そうな様子。肛門周りだけではなく,玉のあたりの皮膚が真っ赤になっている。おしぼりで拭かれるたびに,父は「ひー」と言う。これでもだいぶマシになったそう。軟膏を塗ってくれた。


すっきりしたためか,父がすぐに目をつぶってしまうので,なんとか眠らさないようにとがんばる。母から預かってきた,絵葉書のファイルを父に見せる。

百貨店での美術展や,油彩画の個展などを見るのが,父も母も好きだった。絵画はそうそう買えないが,気に入った絵のポストカードを必ず2~3枚は買ってくる。そうして溜まった絵葉書を,母は小さなファイルにいれて保管している。父の好きな「ユトリロ」の美術展で買った絵葉書も,何枚もあった。


「ママから預かってきたよ」というと,父は食べ物かなにかだと思ったらしく,すごく嬉しそうにしたが,絵葉書だとわかると「そんなのいらないよ!」と言った。がっかりしたのかもしれない。


しかし,しばらくしてから「やっぱり見よう」と,手に取った。が,たいして興味もなさそうだった。イイ刺激になるかと思ったんだけどなぁ・・・・


4時前に,「もう疲れたから帰っていいか?」と尋ねる。ちょっと今日は疲れたなぁ。


父は,「バナナとサンドイッチはいつ持ってくるの?」とまた言う。昨日のことを覚えていたのか・・・

「パパ,それは食べられないよ。肺炎になったから食べられなくなったんやんか。無理無理
,当分無理だよ」と力なく言うと,「そんなこと言って一日のばしにするつもりだろう」ときた。かなりヘビーなひと言。。。


帰りに,ロッテリアでジャンクなものをたくさん食べて,百貨店で洋服を見た。バーゲンをしていたので,特に着るあてもないが,ベージュのシフォンのワンピースを1枚。いつか着よう。


いつもの果物屋で,オレンジといちぢくを買う。いちぢくは母のお土産。ちょっとまけてもらった。小さなラッキー。


5時半に帰宅。


久々にヤフーオークションに熱くなり,入札しまくる。2時まで夜更かし。あきらかにストレス解消だなぁ,これは。。。
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by rompop | 2007-08-11 14:47 | ホスピタル

2007・8・10 痛い。

父は今日もぼんやりした表情をしている。

看護師さんが「お嫁さんか娘さんか,来てくれはったよ~」と父に声をかける。「娘ですっっ!」と思いきり言う。


父は,ワタシがいる間中,うつらうつらしている。

熱は36℃台だが,下痢は相変わらずのよう。

いきなり頭がぼんやりしだしたコトについて。もしかしたら,今までの点滴を減らしたために,水分不足になっているのでは。それとも,やはり下痢で水分不足か。。。

父は水分不足になると,たちまち,ぼんやりする。点滴などで水分補給してもらうと,クリアになる。

看護師さんに尋ねても,要領を得なかったが,とりあえず栄養が十分でないので,明日から点滴を増やすとのこと。


「時間がよくわからない」と父。体内時計は狂ってしまったようだ。話しかけてもすぐに寝てしまうのであきらめた。


8時になり帰ろうとすると,父は目を開け,「明日,バナナとサンドイッチを買ってきて」と言う。


「パパ,無理やで。」「もうそろそろ,食べられるやろう。食べられなかったら,置いとく」「・・・・・・」


「頼んだよ,おやすみ」と父は目を閉じた。


しばらく立ったまま父の顔を見ていたが,父はもう目を開けなかった。
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by rompop | 2007-08-10 22:34 | ホスピタル

2007・8・9 夢かウツツか。。。

いつもの時間に病室へ。

父は,ぼんやりした顔をして,氷枕をして寝ていた。おでこに手をあてると,少し熱い。また,熱か。。。

熱でも栄養は入れるらしい。いつものように投入されてすぐに,「あ,ウンコが出てきた」と父。「え??」と,看護師さんにすぐに言うが,やっぱり無理だった。投入中はベッドを30度に起こしてあるし,投入後も30分はそのままだ。おむつ交換にはベッドをフラットにしなければならないが,そうすると,栄養が逆流してきて,誤嚥を起こす可能性があるから,怖い。


「気持ち悪いけど,このまま少し我慢してくださいね」と看護師さん。しかたがない。。。



今日の父は,どうしたコトか,起きていても,目がくっついて開かないらしく,ずっと目を閉じたまま喋っている。

「パパ,目あかへんの??開けてみ?」と言うと,無理矢理,開けてみせたが,またすぐにとじてしまう。眠いのか・・・?


そのくせ,落ちつきなく,しょっちゅう,喋りかけてくる。それが,ほとんど意味不明のコトばかり。


「今日は疲れたなぁ。姫路まで行ったから」
「別に今日,無理してリハビリしに姫路まで行くコトなかったんだ」
「朝,ここに『いかなごのくぎ煮』が置いてあったけど,誰が持ってきたんだろう?」
などなど。。。


かと思えば,目を閉じたまま,両手でおかしな手つきをするので,手をつかんで「手がどうかしたん??」と聞くと,「いや,手帖を見てるんだけどね」という。

どうやら,手帖を開いて読んだり,なにかをしきりに書き付けているようだ。


なんだか,ふざけているようにも,パントマイムをしてみせているようにも,見える。が,違うんだろうな。どうしちゃったんだろう。。。これってやっぱり,「幻視」とか「せん妄」とかってヤツだろうか。


「書き留めたい」としきりに言うので,引き出しからノートとボールペンを出して,手渡す。父はベッドを少し起こされて寝たままの体勢で,ミミズのような字で何かを書いていたが,「なんて書いたん?」とワタシがしきりに聞くと,「せわしないなぁ・・・」と不機嫌になり,「また,頭がすっきりしてる時に書こう」と,書くのを止めてしまった。


ふと見ると,ベッド脇には,ビニール袋に入れられた洗濯物が。あまり匂いはしないが,濡れている。パジャマが上下2組と,もう1本,パジャマのズボンだけ。肌着と靴下が1組ずつ。

昨夜から今夜にかけて,オシッコかウンコかわからないが,なんどか失敗して汚したのだろう。布団をめくると,パジャマの替えがもう無くなったので,薄いジャージのズボンをはいていた。


しょっちゅう,下痢をしてオムツを交換したり,パジャマを交換したりするので,よく眠れないのかもしれない。あるいは,3食の食事で身体を起こすわけでもないから,生活のリズムがまったく無くなってしまっているのだ。朝とか昼とか夜とか,そんな区別なしに,ただ寝ていて,時々栄養を入れられて,ワタシたちが来なければ,ずっと父はウトウトしているに違いない。一日中そんなだと,ここがどこで,今がいつなのか,夢なのか本当なのか,わからなくなってしまう。

その証拠に,ちゃんと目を覚ましているのに,父にはここが,時々「家」になってしまうようだった。でも,今日は,しっかりと窓のほうを指さして,「あそこの棚に本が置いてあるかなぁ」などと言うのが,ちょっと怖い。

そんなにおかしくなるほどの高熱があるわけでもないのに。父の頭の中は,どうなっているのだろう?


・・・・こんなだと,本当の本当に,呆けてしまうよ・・・・・



とりあえず,今夜失敗したら,もう着替えがないので,汚れ物を今すぐ洗うコトにした。病院の売店は閉まっているので,外のコンビニまで洗剤を買いに行き,洗面所にあるコインランドリーを使った。乾燥機は30分じゃ乾かないから,200円を入れて,1時間にした。あわてて,7時から始めたが,すべて終わるまで1時間半かかってしまう。


父は目を閉じて眠っていたかと思うと,急に目を閉じたまま,「そうそう,そう言えばねぇ」とか「なんだか不思議なんだけどねぇ」などと話しかけてくるので,父の顔のほうにパイプ椅子を置いて,返事をしながら,本を読んでいた。

夢の中か,あるいは「妄想」の中で,父はずっと本を読んでいたらしい。『坂の上の雲』だ。ベッドの柵から外へ右手をしきりに伸ばしては,なにかを取ろうとする。どうやら,そこには本棚があって,文庫本がずらっと並んでいるようなのだ。

ベッドから落っこちては困るので,特大のクッションをベッド柵に突っこんで防御しておいた。「パパ,そんなに乗り出したら,ベッドから落ちるから気をつけてよ」と言っても,他人事みたいに,「さぁ,どうだかねぇ」などと笑っている。


そして今夜も,「バナナと,おでんと,あと・・・大きな梅干し。食べたいなぁぁ」などと,夢見るような顔で言う。もうワタシも,困ってうろたえたりはしないが,「ホントにこれでヨカッタのか?」という気持ちがまた胸をよぎって,辛くなる。


8時半をすぎて,洗濯物はフカフカに乾いた。安心して,棚につめておく。オムツも弟が補充してたっぷりあるから,大丈夫。

でも,父のオムツはまだ交換できない。結構な匂いがしているから,かなりの量,出てしまっているようだ。

夜勤の看護師さんに,「時間がきたらすぐに替えてやってください」と,ダメもとでよくお願いしておく。あまりアテにはならないけれど。

それと,「今日はちょっとおかしいので,夜中にベッドから落ちないように・・・」とも念のため,言っておくが,「あぁ,なんか今日はちょっとソワソワしておられますもんね」とのコト。重篤な人がたくさんいる病院では,父のこんな不穏も,「ちょっとソワソワ」に過ぎないんだなぁ。。。


「帰るよ」と声をかけても,父は「おやすみ」と言いながらも,目は半開き。なんだか,妙に心もとない気持ち。


目が開かないのは,眠いせいだけなのかな。脳のほうの関係もあるのかもしれない。麻痺のあるほうの父の左目は,右目にくらべていつも開けにくいようだから。。。



9時前になってしまったので,タクシーを使って駅まで。お腹がすいた・・・・
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by rompop | 2007-08-09 20:54 | ホスピタル

2007・8・8 ヒリヒリ。

6時半過ぎに病院についた。もう食事介助がないのだから,汗だくになって,息を切らして駆けつける必要はないのだけど,やっぱり夕方になると父のコトが気になってしかたがなく,やっぱり同じ電車に乗れるよう,ダッシュしてしまう。

栄養剤の投与が始まっていた。見覚えのある,ベージュ色のどろっとした栄養剤が,チューブを通して父の胃に入っていた。


今夜の父は,熱もさがり,ワタシの顔を見るなり,「あ!」と嬉しそうに手を伸ばしてきた。。。ので,よくわからないが,とりあえず,握手。

なんだか,喋りたいコトがたくさんあるらしい。どうやら,皮膚科のセンセイに診てもらったそうなのだが,それが,水虫のコトなのか,お尻(床ずれ)のコトなのか,よくわからない。もしかしたら,どちらも,なのかもしれないが,父の頭のなかでは,混じってしまっているよう。

「それは,足のコトか?お尻のコトか?」と尋ねても,「・・・頭が混乱してわからなくなっちゃった」と言う。で,しばらくしたら,「ふぅぅぅ」と深呼吸をしているので,心配になり,「喋るとしんどい?」と聞くと,「お姉ちゃんが,すぐに『それで?』とか『え?』と聞くから,一生懸命喋ろうとすると,しんどい」らしい。ふぅむ。相づちを打ったほうが,喋りやすいのではと思っていたが,どうも,ワタシは先走ってしまうようだ。


「お尻,どう?」と聞くと,「ヒリヒリする」と言うので,また不安になる。あれからお尻をちゃんと見ていないけど,大丈夫なのかなぁ。皮膚が赤くなっているのは,「床ずれ以前」ではなくて,立派な床ずれのステージ1だと,ネットで知ったばかり。エアマットも,なかなか空かないみたいだし。。。

看護師さんがやってきたので,「お尻がヒリヒリするって言うんですけど」と訴えると,どうやら,ヒリヒリしているのは,床ずれの部分ではなくて,もっと肛門の近くなのらしい。水溶便(下痢)がずっと続いているため,肛門とその周辺の皮膚が,かぶれて皮膚炎を起こしてしまったようなのだ。ワタシがついていれば,オムツが汚れたらすぐに気づくコトもできるが,日中,下痢でオムツが汚れても,看護師さんの手が空かなければ,すぐに替えてもらうコトができない時もあるだろう。

下痢便は,アルカリ性なので,皮膚に付着すると皮膚炎を起こしやすいらしい。

いちおう,看護師さんも注意して,体位変換や,軟膏を塗るなど,してくれているらしいのだが。。。不安!!栄養状態も悪かったからなぁ。。。床ずれは一度できると,大変なコトになってしまうと言うし。シーツやパジャマのちょっとしたシワも,床ずれの要因になるとは,全然知らなかった。父の身体は,ただ寝ているだけなのに,いろんなリスクに囲まれているんだなぁ,と実感する。

とりあえず,エアマットを待ちながら,なるべくマメに体位を変えてもらうコト。父にも,「傷が痛いかもしれないけど,ずっと上を向いて寝ないで自分でお尻の位置を変えるんやで!!」と言い聞かせる。でも,床ずれなんかになったコトのない父には,今ひとつ,危機感が伝わらないようで。。。傷口が痛いのか,どうしても,同じ姿勢になってしまうようだ。


水虫のコトは・・・看護師さんに聞きそびれた。


父はずっと,口をもぐもぐさせたり,口の中を舌で舐めたり,している。「口が渇くの?」と聞くと,「そう」と言う。看護師さんの話では,一日3回は口の中をぬぐったりしてくれているらしいが,それも,その時だけのモノなのだろう。口を開けて寝たりするものだから,余計に口の中は乾いてしまうに違いない。

看護師さんにいちおう聞いて,口の中を軽くぬぐってやる。コップに氷水をくんできて,薬局で買った滅菌ガーゼを浸して,あまり水分が残らないように搾り,口の中や舌の上をぬぐう。指が太いのと,父が唇に力を入れるせいで,全然うまくできない。それでも,3回ほど,ガーゼを替えてぬぐうと,少し口の中が潤ったようで,冷たさも気持ち良かったのか,一瞬だけど,父は満足そうだった。ついでに,熱いおしぼりで,顔や首筋を拭いてやる。

同じく薬局で買った,口腔ケア用のウェットシート。緑茶成分とミントが入っていて,口の中が爽やかになる,とのコトだったが,いまいち不評。試しに自分の口の中を拭いてみたら,なんだか薬くさい,イヤな後味だった。

看護師さんがこの間やっていたように,アイスキャンデーの棒みたいな,平たい木の棒にガーゼを巻き付けたほうが,口の中に入れやすいかもしれない。でも,今はまだ,熱が出たり下がったりの微妙な時期だから,口の中に入れるものは,雑菌が入らないように注意しなくては。。。


弟に言わせれば,こういうのも「自己満足」なのだろうか。でも,父は確かに喜んでいたと思う。


今日も父は,「あぁ~美味しいモノ食べたいなぁぁ」と言った。「水じゃなくて,栄養剤が胃に入ってるから,少しはお腹がふくれるんちがう?」と言うと,「あぁ・・・そうかなぁ」と,他人事のようだった。

そして,「そういえば,この頃,あまりむせないね」と言うので,「そりゃ,パパ,口から何も食べてないやんか。だからむせないんやで?」と言う。因果関係がわかっているようで,わかっていないのかなぁ。。。

とにかく,どうも,胃になにかを入れられているという実感が薄いようだ。とりあえず,早く栄養剤が身体になじんで,下痢が止まりますように。。。



またベッド脇で文庫本を読んでいたが,7時45分ぐらいに,父が「もう,帰ってくれてもいいよ。」と言う。「もう少しいるけど?」と言っても,「いやぁ・・・いてもらっても,してもらうコトないし・・・」と言う。別に居てほしくないのか,居てほしいけど,遠慮しているのかよくわからないけど,お言葉に甘えて帰る。

8時前に出ると,帰りに百貨店がまだ開いている。ちょっとだけでも,綺麗な洋服とか雑貨を眺めて,触って,それから帰る。


駅のホームで電車がなかなか来ないので,2羽いた,みすぼらしい鳩にバッグの中に入っていたビスケットをやっていたら,たちまち鳩の数が増えて,しかも,壮絶な突つきあいが始まったので,焦った。鳩の世界には,脳卒中とか無いんだろうなぁ。。。でも,生存競争の激しい世界も,これはこれで大変だ。
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by rompop | 2007-08-08 20:08 | ホスピタル

2007・8・7 匂い。

夕方,病院へ着くと,ちょうど6時半過ぎだ。

廊下には夕食の配膳の大きなワゴンが並び,病棟中に,いろんな食事が混ざった,モワッとした匂いが立ちこめている。食欲をそそる匂いではないが,アルコールや薬品,尿や便の匂いに混じって,たしかに食べ物の匂いがする。


病院に通い出した頃は,この匂いにいつも,胸がむかむかした。今は・・・「父にはもう無関係な匂いなんだなぁ」と思うと,悲しくてたまらなくなる。


父はベッドを30度ぐらいに起こされて,また眠っていた。ワタシが着いてすぐに,少量の白湯が,胃へ投入された。

熱はなんとかおさまり,下痢も回数は減ってきているそう。お尻の床ずれ(もどき)には,軟膏が処方されていた。


傷はもう,ほとんど痛まないようだ。父は,うつらうつらしながらも,穏やかな顔をしていた。


主治医がやってきて,「経過は順調です」と言う。熱については,傷口の炎症も多少あり,また,内視鏡を使って手術をしたため,その際に誤嚥した可能性もあります,との説明だった。多少の発熱はしかたないのかもしれない。

明日から,いよいよ栄養剤を少しずつ入れていく,とのコト。医者や看護師が,この栄養剤のコトを「お食事」というのが,どうも抵抗感がある。ワタシの中に,まだ「胃ろう」を前向きに捉えられていない部分が,きっとあるのだろう。


父は無精ヒゲがずいぶん生えていた。傷が痛い時に,ヒゲなんて・・・と放置していたのだが,調子が良さそうだったので,剃ってやった。そして,給湯室においてある熱いおしぼりで,顔や首のあたり,両の手のひらなどを拭いてやった。

ヒゲがすっきりした父は,とても綺麗な顔になった。「ごま塩」のヒゲが生えているだけで,とてもすさんだ「病人」というカンジがするから,ワタシは嫌いだ。


「明日から,栄養剤を入れるって」と父に説明すると,「うん」とだけ言う。もう,何をされても,父はそのまま,受け入れるしかないのだろう。


少しウトウトしているので,文庫本を読んでいた。父の食事介助がなくなってから,ワタシも弟も,気をはって「やるコト」がなくなってしまった。父のそばにいても,何をしてよいのか,わからない。


突然父が目を覚まして大あくびをし,「あぁぁ,サンドイッチが食べたいなぁ・・・」と言ったので,返事に困った。

「・・・パパ・・・それは無理やで・・・だって,肺につまって肺炎になったんやんか・・・」とやっと言うと,「そうだね。でもずっと絶食だもんなぁ・・・」

もう無理だとわかって言っているのか,今は無理だけどそのうち食べられるようになると思って,言っているのか。

さっき主治医が,「口からも食べられるように練習しましょうね。すぐには無理ですけど,栄養剤のほうが落ち着いたら・・・」と言ったから,だろうか。


8時に病室を出る。「もう帰るよ」と声をかけると,「あぁ,電車の時間があるもんね」と父が言うので,つい,うっかり「ワタシも早く帰ってご飯食べなアカンしなぁ」と言ってしまった。

・・・いろいろ,気を使う。


帰宅。

朝,電話で弟と,また軽くやりあってしまったので,顔をあわせたくない。向こうもそうらしく,ワタシが帰ってからは,一度も階下におりてこない。母と,お喋りをしながら,ご飯。どうも,ずっと胃の具合が悪くて,痛む。あまり食欲がない。マズイな・・・


早く寝ればイイものを,また,ずるずると『ベルばら』の録画を観てしまった。はぁぁ,懐かしい・・・・
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by rompop | 2007-08-08 10:57 | ホスピタル

2007・8・6 水分が,入る。

朝から,「来客」のため,絶不調。職場の冷房が強いせいか,お腹がシクシクする。胃もおかしい。ワタシはストレスがあると,すぐに胃と腸にやってくる。


昼頃,携帯を取り損なったが,弟から留守電。夜用のオムツがないので,夜,買って持っていってくれ,とのコト。なんだか,愛想もくそもないメッセージが頭にきた。

わざわざ今日は,ルートを変えて,指定の薬局でオムツを1パック買い,重いのでタクシーで病院へ。


病室へは6時45分ぐらいに着いた。父はベッドを30度ぐらいにギャッジアップされて,眠っていた。「もしかして,水分が入れられたあとかな?」と思い,しばらくじっと見ている。

父が目を開けたので,「水が(胃に)入ったんか?」と聞くと,「みたいだね」と言う。「どう?イヤな感じやった?」と重ねて聞くと,「いいや,いいよ」とよくわからない返事をして,また目を閉じてしまう。

昨夜,下痢が続いて,あまり眠れなかったのかもしれないな,と勝手に思い,静かにしている。


熱はないようだが,あいかわらず氷枕をしている。新しいパジャマに着替えさせてもらったようだ。


なんの点滴か確認しようと立ち上がったら,点滴袋の陰に,見覚えのあるボトルを発見。透明な水が入っている。なんだ,今,まさに「白湯」を注入しているところだったのだ。


また目を開けた父は,ちょっと笑い,「眠い・・・」と言って,眠ってしまった。


仕方なく,音を立てないようにしてオムツを棚に補充し,あとは息をひそめて文庫本を読んでいた。


看護師さんがやってきたので,今日の父の具合をたずねる。熱は36,9℃ぐらいで,ほとんど微熱だが,氷枕をしているとのコト。エアマットはやはり,まだ空きが出ない,とのコト。白湯を入れたあとは,30分ぐらいは身体を起こしたままにしておいてください,とのコト。

父は軽くイビキをかいて,眠っている。時々,口をもぐもぐさせている。何か食べている夢でも見ているのか?小さな声で寝言を言う。寝ぼけているだけなのか,頭がおかしくなってきたのかわからないので,こういうとき,ちょっとドキドキする。

8時になったので,父に「もう時間だから帰るで」と声をかける。父は笑顔で,「ごくろうさん。見送れないけど」と言う。傷はもう,ほとんど痛まないようだ。ただ,どうしてかわからないけど,ものすごく眠いのだろう。このまま,完全に呆けちゃって,寝たきりになんかならないで欲しい。まだ,早いよ・・・・・


無精ヒゲがだいぶ伸びている。具合が良さそうなら,一度剃ってやろう。靴下は,「水虫復活」が気になるので,なかば無理矢理,脱がせてきた。
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by rompop | 2007-08-06 18:58 | ホスピタル

術後3日目。

10時まで,ぐっすり眠った。洗濯をしたり,部屋に掃除機をかけたりしたあと,スパゲティを食べ,少しだけテレビを観てゴロゴロ。

2時過ぎに準備を始めて,2時半に家を出た。いやぁ,一番暑い時間だなぁ,コレ。

駅についた時点で,すでにクラクラ来て,ボトルにつめて持ってきた麦茶をほとんど飲んでしまう。熱射病にならないように,気をつけなきゃ。

商店街でオレンジを買い,ドラッグストアでカロリーメイトのゼリー。あと,傷がまだ痛い父のために,前開きの長袖の肌着を探して買う。長袖って,今の季節,ほとんどないんだよね。。。ちょっと高いけど仕方がない。


3時過ぎに病室へついた。昨夜からちょっと下がったモノの,それでもずっと,37℃台後半の熱が続いているそうだ。父は今日も,氷枕で,眠っていた。

傷はもう,あまり痛まないらしい。身体を動かした時に,少し痛む程度のようで,ホントにヨカッタヨカッタ。やっぱり,自然治癒の力って,偉大だなぁ。。。


熱があるといっても,父の表情はとても穏やかで,ワタシの顔を見ると,笑顔さえ見せる。なんだかわからないけど,父が笑顔だととりあえず安心する。

「今日は日曜日。休みだから,8時ぐらいまでいるからね。まぁ,いるだけやけど」と言うと,父はとても優しい顔で「そう,アリガトウ」と言った。ちょっと,じんと来た。


ところが,今日の父は,なぜかひどい下痢。原因はよくわからないのだが・・・

オムツ交換の時,のぞいていたら,父のお尻がまた直径5センチぐらいが,真っ赤になっている。ヤバイ。。。放っておくと,床ずれになってしまうかも。看護師さんも,そう思ったのか,透明なシールを貼ってくれた。皮膚の表面が濡れないための予防だと思う。エアマットに交換して貰うように頼んだが,あいにく全て使用中とのコト。空きが出たらすぐ回すよう予約しておきます,とのコトだが。不安。


37,7℃の熱。

ワタシが居る間に,3回も下痢便が出た。新しいオムツ(プレーンタイプのうえに,布オムツを重ねてくれている)に交換したと思ったら,またすぐに出る。

タイミングが悪く,同室の患者さんたちが夕食を食べている真っ最中に,また出てしまった。看護師さんに告げると,「食事中だから,もうちょっと待って」とのコト。確かになぁ・・・。これを今,開けるのはかなりの迷惑。でも,父が「気持ち悪い・・・」というモノだから,カーテンを閉めて,オムツを少しだけ開けて布の位置をずらした。お尻にはティッシュを当てておいた。しかし,これだけでも,結構,かぐわしい香りが・・・同室の人たち,ホント,ゴメンなさい。


夕食が終わって,だいぶ経ってから,看護師さんがやってきた。やっとのオムツ交換。病院用の布オムツを,その都度ナースステーションから持ってきて使うので,ワタシが勝手に持ってくるわけにもいかないんだよなぁ。使い捨ての紙タイプなら,持参したのがたくさんあるのだが。夕食が終わっても,食後の薬を配ったり,食器を下げたり,看護師さんは忙しいからなぁ。

明日から,いよいよ,胃ろう部分から「白湯」を投入する予定だそう。父に,いちおう,よく説明しておく。それから,腹にはチューブがついたままになっていて,慣れるまでは辛いだろうけど,大事な「入り口」をキープしておくための器具だから・・・と。術後,ずっと腹にはガーゼがぺったり貼られているから,父は自分の腹をちゃんと見てはいないのだ。はっきりと認識したときは・・・複雑な気持ちになるだろうなぁ。

胃ろうの話が出てから,すでに絶飲食8日目。時々,父の腹は鳴っている。お腹も空くし,喉も渇くだろうに,父はあれから一度も,そんなコトは口にしなくなった。前の肺炎での絶食の時は,「プリンが食べたい」だの「八宝菜が食べたい」だのごねて,辛かったのだが。

でも,かえって何も口にしない父が,ワタシには,余計に辛い。


8時前になったので,帰ろうとすると,とたんに父は落ち着かなくなる。帰る間際に,言っておかねば,と思うことが急に浮かんでくるらしく,いろいろ言うのだが,それがさっぱりわからない。

「2階のお姉ちゃんの部屋に,カゴを持っていってくれないかな。こないだ無くて困ったから」

いくら考えても,わからないパズルのようだ。「わからない?」と聞くので,正直に「全然わからん」と言ったら,「わからないなら,仕方ないや。もういいよ」とあきらめたように言う。きっと,なにか根拠はあるのだろうが,それがワタシにはわからない。なんだろう・・・・?
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by rompop | 2007-08-05 15:49 | ホスピタル

2007・8・4 術後2日目。

8時起床。

朝から弟と大ケンカ。きっかけは,些細な一言なのだが,些細とは言え,聞き逃せない一言。。。


「基本的に愛情が薄いからそんな風な言動になるんや」とワタシは言い,「『パパ可哀相』だけで動くのが,空回りや自己満足になってるコトがわからんのか」と弟は言い返す。「お前にだけはそんなコト言われる筋合いはないわ!」とさらに言い返し,母を巻きこんで,スッタモンダする。

血をわけた兄弟だが,これほど他人だとは思わなかった。お互いの考え方が根本からまったく違うコトを再認識して,疲れただけ。ただ,これからは何かあっても,「考え方があれほど遠いんだから」と納得できるに違いない。


父がまだ,なんとか食べられていた頃,昼間に面会にいける休日に,ワタシはいつも,なにか美味しいモノ(たとえば『○ロゾフのプリン』とか)を買っていった。まずいミキサー食に辟易している父に,週一でも,美味しいものを食べさせて,喜ばせてやりたいと思うからだ。

弟は,余計なものを持っていってくれたコトがなかった。便秘予防のヨーグルトなどは別だが,ただ単に,父を喜ばすためには,プリンなど一度も持っていってくれたコトがない。

ワタシはそういうヤツを,「冷たいヤツ」だと思っていたが,弟は,たまに美味しいモノを持っていくワタシを「残酷なコトをする」と思っていたらしい。

美味しいモノを食べて,父が「あぁ,世の中にはこんな美味しいモノがあったなぁ」と感じても,自分で売店に買いに行くコトはできない。そんな父に,そんな味を思い出させるコトは,残酷だ,と言うのだ。そして,それはワタシの「自己満足」に過ぎない,と。


ごく平凡なつまらない例だが,なんとなく,これで全てが理解できるような気がする。弟には,「たとえ一瞬でも」(喜ばせてやろう)とか「ほんのわずかでも」(楽しい気分にさせてやろう)とかいう考えがないのだ。それがすべての行動の基本になっているワタシとは,うまくいくはずがない。

プリンだけなら話は簡単だが,なにかを選択する時に,いつもこのベースの違いがネックになってきた気がする。いくら話しあっても,相容れないはずだ。


頭にきたので,早めに病院に出かけた。11時30分に病室へ着く。


一日2回の抗生剤の点滴が追加されていた。傷の炎症をふせぐためだろう。

心配していた父の痛みは,昨日よりも明らかにマシになっているようで,少しホッとする。「ゆうべは座薬が効いた?ちゃんと寝れた?」とたずねるが,どうもよくわからないらしい。まぁ,多少は効いて,少しは眠れたのだろう。

痛い痛い,といって,ワタシにあたるコトは,今日はなかった。ただ,じっと寝ているのがかなり辛いらしい。


主治医がやってきて,経過を説明してくれた。傷口の消毒をしたが,綺麗になっているので問題はなし。ただ,2週間は様子を見る必要がある。特に,術後の2~3日は,腹膜炎などを起こすリスクが高いので,要注意,とのコト。


ただ,父のベッド脇で,本を読んだり携帯をいじくっているだけだったが,やっぱり父は,誰かがいると安心なようだった。便意を訴えるので,あわてたが,傷口が痛むので車椅子に移乗は無理だ。オムツにさせるのは可哀相なので,便器をかりて尻の下にあてた。これ,プラスチックだから,結構痛いんだよね。。。特に父は痩せてしまって,お尻に肉がないもんだから。

「痛いし,やっぱり出ない」と,早々にギブアップ。

しばらくすると,「オシッコ出る」というので,尿器をあてる。尿器なら簡単だ。でも,出ない。


父はベッド脇の時計を,1時間置きぐらいにちらりと見る。その意味が全然わからなかった。ワタシの帰る時間を気にしているのか,あるいは,ワタシにそろそろ帰ってもらいたい,と思っているのか・・・聞いてみても,なんかどちらも違うようだし。

帰る頃になって,やっとわかった。父はリハビリの時間を気にしているのだ。

ここは,リハビリ病院ではなく,治療のために移った病院なのだから,リハビリはしなくていい。第一,傷が痛いうちは,リハビリは無理だから,と,何度も何度も説明している。でも父は,やっぱり全部をちゃんとはわかっていないようだ。

リハビリ病院にいると,午前と午後,2回のリハビリがある。時間になると,療法士のセンセイが,「○○さん~リハビリ行きましょうか」と迎えにくる。


「いつまで経っても,迎えにこないなぁ,と思ってたよ」と言うので,もう一度説明をする。「わかった?」「・・・わかったような,わからんような。でもまぁ,いいよ」「・・・・・」

「そんなにリハビリが気になる?」「気になる」「リハビリしたい?」「いや,したくない」「リハビリ,辛かった?」「・・・すごく辛かったねぇ」

・・・父のためとは言え,父がとても辛い,と感じるコトを,ワタシたちはさせていたのだなぁ・・・でもなぁ・・・・・


「ところでオシッコでないの?」「出た気がする」「え!??オムツ気持ち悪いか??」「・・・気持ち悪いかなぁ」

「ちょっと失礼」とオムツを開けてみると,父のオチンチンにぐるぐる巻きにされていた尿取りパッドが,ずっしりと濡れて重くなっていた。出た出た!これは気持ち悪いよな。新しいパッドに替えておいた。


7時半頃,さすがにへとへとになってきた。時々「トイレ」とか「電話」とか誤魔化して,談話室へ行き,パンを食べたりジュースを飲んだりはした。でも,昼前からいると,さすがに疲れる。しかも,パイプ椅子はペコペコで座り心地が怖ろしく悪い。弟は昨日,朝の9時から6時半まで,ずっとここに居てくれたのだ,と思うと,今になって少し気の毒に思った。


「パパ,もう疲れたから帰るわ」と言うと,意外にも「もう帰るの?」と言われる。むぅぅ。「帰る」と言うと,とたんに不穏なカンジになるのは,やはり,病院に取り残される不安が大きいのだろう。今回の「胃ろう」の処置も,かなり父に,精神的・肉体的ダメージを与えたようだ。

「また明日くるからね」と言いつつ,父の顔が少し赤いのに気づく。看護師さんに熱を測ってもらうと,38℃あった。

氷枕をしてもらい,解熱のための座薬を入れてもらうコトにした。また不安を残しながら,病室を出た。
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by rompop | 2007-08-04 19:48 | ホスピタル

2007・8・3 術後。

9時から病室で待機している弟から電話。

父の手術は夕方になりそうだ,とのコト。昨日の話と随分ちがう。

早退しようか,と思っていたが,弟がいてくれるそうなので,仕事を終えてから病院へ行くコトにした。


1日中,父のコトが気になる。


6時30分に着くと,母と弟がいた。入れ違いに二人を帰す。

ブルーの手術着を着せられた父の腹部には傷口保護のカップが張り付けてある。


主治医の話では,局所麻酔の効きがなぜか悪くて,父はずいぶん苦しんだらしい。

その麻酔も切れてきたせいか,しきりに痛みを訴える。痛みのせいか,声を荒げてワタシに八つ当たりする。

かと思えばウトウトしたり。痛みに波があるようだ。

痛み止めでコントロールしてくれるよう頼んだが,血圧変動が不安なので,なるべく薬を使いたくない,と主治医。

そうすると,父は「じゃあ我慢します」と言う。

時間なので帰ろうとすると,一気に不安になったのか,痛いだの,胸が苦しいだの言い出し,少し不穏な感じになりかける。


見かねた看護師さんが血圧を計り,痛み止めの座薬を入れてくれた。少しは効いてくれればいいが。


後ろ髪ひかれる思いで,帰宅。
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by rompop | 2007-08-03 16:10 | ホスピタル