良い天気の日曜日。
洗濯をし,布団をベランダに干した。急に,部屋をすっきりさせよう!と思い,古いビデオテープや聴かないままのCDを,ゴミ袋いっぱい,捨てる。あぁ,ちょっとスッキリしたぞ。雑誌と,読み終えた文庫本を,3束,廃品回収の場所へ運ぶ。ワタシの部屋は,何が多いって,雑誌と本が多いんだよね。鬱々すると,すぐに本屋で本を買ってしまうから。まぁ,安く済んでイイけど。
3時半に病院へ。
今日の父は,なぜか,すっきりと笑顔だった。買っていった朝刊を,「読む読む」と,奪い取るように読み,テレビ欄を熟読していたと思ったら,「『吟詠』が見たい」という。NHKでやっている番組。綺麗な風景の映像に,えんえん,詩吟が重なる番組だ。渋いなぁ。。。
そのあとも,飽きるコトなくテレビを見続けて,なんと今日は,2時間近くも,ぱっちりと目を開けてテレビ鑑賞。
母が見舞いに行ってやると,必ず父は,数日間は落ち着くんだよなぁ。。。これは,絶対そう。「ママ効果」は絶大だ。
そうしている間に,夕食の時間が近づいてきた。今日はなぜかカーテンが開いたままなので(多分,今日はあまり気のつかない看護師さんなのだ),こちらから締め切ってしまうのも気がひけて,さてどうしよう?と,隣が見えないよう,苦心してテレビ台をじわじわと移動させた。ちょうど,寝ている父の目隠しの位置にテレビが来るように。
そんなワタシを見て,父が笑った。「・・・見透かされている?」と思う。父はもしかしたら,ワタシたちが思っている以上に,いろんなコトがわかるのかもしれないなぁ,と。
父は荒れるコトもなく,穏やかに,隣の匂いと音をやり過ごし,自分の栄養も,おとなしく受け,ゆったりとして見えた。
「。。。昨日は何時頃家についたの」と,やたら昨日のコトを気にする。「また,ママ,車に乗って来てくれるかなぁ」と言う。
「また連れてくるよ。でも,ワタシも○○(弟)も,毎日来てるのにやっぱりママがええか?」と冗談めかして聞くと,「そりゃ,ママは全然別だから」と,真面目に答えられてしまった。そうっか。。。。全然,別なんだ。だろうな。まぁ,たまにしか顔を見せないから,余計にありがたみが増すのも事実だろうけどね。
7時半ごろ,「また明日」と,握手をして,病室を出る。今日の父は,「食べたい」とも「飲みたい」とも,一言も言わなかった。。。