2007・9・7 延長。

今日も夏休み。朝,ゆっくり眠れるのはありがたい。だが,テレビを見ていても,何をしていても,胸のあたりにモヤモヤがある。「なんだろう?このモヤモヤは」と思った次の瞬間に,「そうか,パパのコト,ちゃんと決めなきゃいけないんだ」と気づいて,どーんと気分が下降する。


予想外の展開だが,今のリハビリ病院にもう少しいられるコトになったようだ。本来なら,今月いっぱいで出なくてはならなかったのだが,「胃ろう造設」で,帰って来た日から新たにカウントされるコトとなり,結局,12月5日が上限となった。


最初,母とワタシが,「そんな風になったらいいのにねぇ」などと言っていた時,弟が激怒した。「2人とも暢気だ」と。一度肺炎になって戻ってきた時に,『廃用症候群』という病名がついて,期間が延びた。今回は,その『廃用症候群』の治療中に,ただ単に「胃ろう」を造って帰ってくるだけで,なんの新しい病名がつくんだ?と。なにをどう考えたら,そんな暢気な考えが出てくるのか?と。

次の病院の相談をソーシャルワーカーとしたり,障害者手帖の申請をしたりしているのは,昼間自由に動ける弟の役目になってしまっている。ワタシは仕事があるから仕方ないと思うし,本人もそれはわかっているのだが,やっぱりストレスがたまっているようで,時々あらぬところで,ワタシと母は被害をこうむる。


だけど,ワタシと母が言ってたとおりになったじゃないか。弟は母には,「きつい言い方してごめん」と謝ったそうだが,ワタシは謝ってもらってないぞ。ものすごくネチネチと言われたんだから。。。


というわけで,とりあえず,父を1ヶ月もしないうちに,違うところへ移さなくてはならない現実には,待ったをかけるコトができた。これだけでも,ほんとヨカッタと思う。


今日は少し遅めに,4時半頃病院へ。なんとなく,昨夜の父の様子がつらすぎて,病院へ行く足が重くなってしまった。行ってやらなきゃ,と思うのに,その一方で,「行きたくない,つらいものは,見たくない」と思ってしまう,この矛盾。人間,誰しも,楽ちんな場所に居たいと思ってしまうものなのだろう。

今でさえこれだから,いつか,父が終末期に入ったら,ワタシはどんな具合にくじけてしまうのかな。いや,それとも,段々と少しずつ目の前の現実に慣れていくものなのかな。


今日の父は,「食べたい」とも何とも言わなかった。心のどこかでホッとする自分がいる。今日は最初から,隣のベッドとの間のカーテンが,きっちりと引かれていた。きっと,昨夜の看護師さんが申し送りをしてくれたのだろう。匂いや音は遮れなくても,ビジュアルだけでも。。。と考えてくれたのかもしれない。


隣のオジさんには,申し訳ないと思う。無口だが,はにかんだ笑顔が優しそうな人だ。車椅子だが,食事もトイレもベッドでしている。ほとんどの時間,黙ってベッドに横になっている。

今夜は最初,遠慮がちに音を立てないように食べているように感じて,心の中で「すいません」と謝ったが,やはり不自由な手で汁物を食べるのは難しいようで,次第にすすりこむ音が大きくなった。父は何度か,隣のカーテンのほうをチラッとみたが,黙っていた。わざとじゃないコトを,父に説明してやったほうがイイのかもしれないな,と思ったが,言いようがなくて黙っていた。


夕食が終わるころ,父は機嫌が悪くなり,黙りこんでしまった。今の父には,憤りしかないんだろうなぁ。いくら言っても,食事を与えてくれない周囲に対して。昨夜の看護師さんには,「こないだまで,ちゃんとお膳が来ていたんだ」と訴えていた。でも,父の頭の中からは,なぜか不味くてドロドロのミキサー食を,むせながら苦労して食べていた時の記憶が,消し飛んでしまっている。


帰り際,看護師さんから,「ミツカン酢を買ってきてください」と言われる。「???」と思ったが,どうやら栄養注入の最後に,チューブを綺麗に保つために,お酢を使用するらしい。5ccほど,注入するという。お酢なら,身体に入っても害はないどころか,かえって健康にイイぐらいだ。

「ちゃんと瓶に名前を書いて,保管しますので」と言われて,「ボトルキープしてくれるんですね」と,軽口を叩く。「そう,ボトルキープです(笑)」と,看護師さんもホッとしたように笑う。


帰りにスーパーによって,ミツカンの「米酢」を1本買う。お徳用にしようかと思ったが,あまり量が多いのを買って劣化してしまっても,それがそのまま父の身体に入るのだから・・・と,小さい方にした。


帰宅すると,「パパ,今日どうだった?」と,母が真っ先に心配そうに尋ねる。
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by rompop | 2007-09-19 13:00 | ホスピタル


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