2007・8・26 着替え。

重い紙袋をさげて,11時前に病院へ。この時間に来るのは,珍しい。いつもと違う時間帯に来ると,病院内の様子も微妙に違っていて,面白い。


病室に着くと,父のベッドはカーテンで囲われ,看護師さんが中に入っていた。どうやら,オムツ交換をして貰っている様子。「○○さん,××しますね~」という優しい声に,父は,「えぇ,好きにしてください」と答えた・・・ように聞こえた。「好きにしてください」って,今言った??と,ワタシの頭のなかは疑問符がいっぱい。


少し覗くと,看護師さんが「あぁ,今,お下の洗浄しているんです」という。あぁ,そうか。プログラムに入っている「陰部洗浄」というヤツか。「お願いします」と言って,外で待っている。


終わったあと,看護師さんが困ったような顔をして出てきて,「身体を拭いてお着替えをしたいのですが,いくら言っても,イヤだと言われて・・・」と言う。父は不機嫌そうな顔で,「しんどいから,明日でいい」などと言うが,「曜日が決まっているんだから,ちゃんとやってもらい。不潔にしてたら良くないから」と言って,看護師さんにお願いする。

多分,寝たままの着替えは,あっちを向いたりこっちを向いたり,腕を曲げたり伸ばしたり,腰を持ち上げたり,そこそこ負担なのだろう。でも,腕を曲げてパジャマの袖を通すのも,腰を上げさせるのも,リハビリのうちだ。寝たままでは,腕も足も,固まってしまう。


父は,またもや不機嫌MAXで,看護師さんが優しく声をかけても,うんともすんとも返事をしない。終始無言のまま,黙って着替えをされていた。


終わって,「どうや?さっぱりするやろう」と言っても,「うん」と言ったきり,むっつりと目を閉じてしまった。

午前中のこんな時間は,まだ眠いのかなぁ。父は昼の栄養まで,ずっとワタシには目もくれず,眠っていた。


毎日,10時過ぎごろに病院へ来ている弟が,「寝ていたので一言も喋っていない」だの言うので,それは不仲な弟だからだ,と思っていたが,あながちそうでもないのかも。なんだか,甲斐のないコトだなぁ。

しかたなく,父の枕元の,手つかずの『文芸春秋』をパラパラ読んでいた。急に「今日は何曜日?」と甲高い声で父が尋ねる。「今日は日曜日」と答えると,「ふうん」と,また目をつぶってしまった。


することがないので,ヒゲを剃ってやった。おしぼりで顔を拭いてやっても,以前のように「気持ちいい」と喜ばないので,父に手渡して,自分で好きに拭かせた。なんだか・・・父は,すべてのコトが,もうどうでもよくなってしまったように感じる。


お昼の栄養のあと,ビオフェルミンを溶かした水を,注入。看護師さんがちょっと失敗,チューブから逆流した水分が,シーツと父のパジャマの袖を濡らしてしまった。

「いやぁ~ごめんねぇ。着替えたばっかりやのに,ごめんねぇ」と何度も謝りながら,濡れたパジャマの上着を,また交換。父はもう,むっつりと無言で「どうにでもしてくれ」なカンジだった。


1時前になった。時計ばかり見ていたワタシだが,「パパごめん。今日は用事があるから帰る。」と言う。父は,「はい,どうぞ」と言う。ちょっとだけ気が咎めるが,今日は夕方に母が来てくれるはずだ。でも,父にはまだ内緒にしておこう。母の体調が変わらなかったら,きっと嬉しいサプライズになるから。
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by rompop | 2007-08-26 22:32 | ホスピタル


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