2007・8・8 ヒリヒリ。

6時半過ぎに病院についた。もう食事介助がないのだから,汗だくになって,息を切らして駆けつける必要はないのだけど,やっぱり夕方になると父のコトが気になってしかたがなく,やっぱり同じ電車に乗れるよう,ダッシュしてしまう。

栄養剤の投与が始まっていた。見覚えのある,ベージュ色のどろっとした栄養剤が,チューブを通して父の胃に入っていた。


今夜の父は,熱もさがり,ワタシの顔を見るなり,「あ!」と嬉しそうに手を伸ばしてきた。。。ので,よくわからないが,とりあえず,握手。

なんだか,喋りたいコトがたくさんあるらしい。どうやら,皮膚科のセンセイに診てもらったそうなのだが,それが,水虫のコトなのか,お尻(床ずれ)のコトなのか,よくわからない。もしかしたら,どちらも,なのかもしれないが,父の頭のなかでは,混じってしまっているよう。

「それは,足のコトか?お尻のコトか?」と尋ねても,「・・・頭が混乱してわからなくなっちゃった」と言う。で,しばらくしたら,「ふぅぅぅ」と深呼吸をしているので,心配になり,「喋るとしんどい?」と聞くと,「お姉ちゃんが,すぐに『それで?』とか『え?』と聞くから,一生懸命喋ろうとすると,しんどい」らしい。ふぅむ。相づちを打ったほうが,喋りやすいのではと思っていたが,どうも,ワタシは先走ってしまうようだ。


「お尻,どう?」と聞くと,「ヒリヒリする」と言うので,また不安になる。あれからお尻をちゃんと見ていないけど,大丈夫なのかなぁ。皮膚が赤くなっているのは,「床ずれ以前」ではなくて,立派な床ずれのステージ1だと,ネットで知ったばかり。エアマットも,なかなか空かないみたいだし。。。

看護師さんがやってきたので,「お尻がヒリヒリするって言うんですけど」と訴えると,どうやら,ヒリヒリしているのは,床ずれの部分ではなくて,もっと肛門の近くなのらしい。水溶便(下痢)がずっと続いているため,肛門とその周辺の皮膚が,かぶれて皮膚炎を起こしてしまったようなのだ。ワタシがついていれば,オムツが汚れたらすぐに気づくコトもできるが,日中,下痢でオムツが汚れても,看護師さんの手が空かなければ,すぐに替えてもらうコトができない時もあるだろう。

下痢便は,アルカリ性なので,皮膚に付着すると皮膚炎を起こしやすいらしい。

いちおう,看護師さんも注意して,体位変換や,軟膏を塗るなど,してくれているらしいのだが。。。不安!!栄養状態も悪かったからなぁ。。。床ずれは一度できると,大変なコトになってしまうと言うし。シーツやパジャマのちょっとしたシワも,床ずれの要因になるとは,全然知らなかった。父の身体は,ただ寝ているだけなのに,いろんなリスクに囲まれているんだなぁ,と実感する。

とりあえず,エアマットを待ちながら,なるべくマメに体位を変えてもらうコト。父にも,「傷が痛いかもしれないけど,ずっと上を向いて寝ないで自分でお尻の位置を変えるんやで!!」と言い聞かせる。でも,床ずれなんかになったコトのない父には,今ひとつ,危機感が伝わらないようで。。。傷口が痛いのか,どうしても,同じ姿勢になってしまうようだ。


水虫のコトは・・・看護師さんに聞きそびれた。


父はずっと,口をもぐもぐさせたり,口の中を舌で舐めたり,している。「口が渇くの?」と聞くと,「そう」と言う。看護師さんの話では,一日3回は口の中をぬぐったりしてくれているらしいが,それも,その時だけのモノなのだろう。口を開けて寝たりするものだから,余計に口の中は乾いてしまうに違いない。

看護師さんにいちおう聞いて,口の中を軽くぬぐってやる。コップに氷水をくんできて,薬局で買った滅菌ガーゼを浸して,あまり水分が残らないように搾り,口の中や舌の上をぬぐう。指が太いのと,父が唇に力を入れるせいで,全然うまくできない。それでも,3回ほど,ガーゼを替えてぬぐうと,少し口の中が潤ったようで,冷たさも気持ち良かったのか,一瞬だけど,父は満足そうだった。ついでに,熱いおしぼりで,顔や首筋を拭いてやる。

同じく薬局で買った,口腔ケア用のウェットシート。緑茶成分とミントが入っていて,口の中が爽やかになる,とのコトだったが,いまいち不評。試しに自分の口の中を拭いてみたら,なんだか薬くさい,イヤな後味だった。

看護師さんがこの間やっていたように,アイスキャンデーの棒みたいな,平たい木の棒にガーゼを巻き付けたほうが,口の中に入れやすいかもしれない。でも,今はまだ,熱が出たり下がったりの微妙な時期だから,口の中に入れるものは,雑菌が入らないように注意しなくては。。。


弟に言わせれば,こういうのも「自己満足」なのだろうか。でも,父は確かに喜んでいたと思う。


今日も父は,「あぁ~美味しいモノ食べたいなぁぁ」と言った。「水じゃなくて,栄養剤が胃に入ってるから,少しはお腹がふくれるんちがう?」と言うと,「あぁ・・・そうかなぁ」と,他人事のようだった。

そして,「そういえば,この頃,あまりむせないね」と言うので,「そりゃ,パパ,口から何も食べてないやんか。だからむせないんやで?」と言う。因果関係がわかっているようで,わかっていないのかなぁ。。。

とにかく,どうも,胃になにかを入れられているという実感が薄いようだ。とりあえず,早く栄養剤が身体になじんで,下痢が止まりますように。。。



またベッド脇で文庫本を読んでいたが,7時45分ぐらいに,父が「もう,帰ってくれてもいいよ。」と言う。「もう少しいるけど?」と言っても,「いやぁ・・・いてもらっても,してもらうコトないし・・・」と言う。別に居てほしくないのか,居てほしいけど,遠慮しているのかよくわからないけど,お言葉に甘えて帰る。

8時前に出ると,帰りに百貨店がまだ開いている。ちょっとだけでも,綺麗な洋服とか雑貨を眺めて,触って,それから帰る。


駅のホームで電車がなかなか来ないので,2羽いた,みすぼらしい鳩にバッグの中に入っていたビスケットをやっていたら,たちまち鳩の数が増えて,しかも,壮絶な突つきあいが始まったので,焦った。鳩の世界には,脳卒中とか無いんだろうなぁ。。。でも,生存競争の激しい世界も,これはこれで大変だ。
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by rompop | 2007-08-08 20:08 | ホスピタル


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