日曜日の
『情熱大陸』は,ミュージシャンのタテタカコさんだった。
彼女のCDは1枚,持っている。
でも,素顔を見たのは,初めてだった。
ライブでの映像や,楽屋裏での様子が,つぶさに映し出されていた。
その「ぼくとつ」とした佇まいが,いいな,と思った。
でも,「生きにくいだろうなぁ・・・」とも思った。
今の世の中では,こういう人は,とても生きにくい,に違いない。
インタビュアーの質問に,時間をかけて答えを探しながら,ゆっくりと答える。
インタビューの途中,ふいに大粒の涙をこぼす。
いまでも,「絶望感」が,ふいに襲ってくるという。
メジャーな歌い手,というわけではないが
それでもライブには,たくさんの人がぞくぞくと足を運ぶ。
自分の曲が映画の挿入歌に使われたり,
(映画『誰もしらない』の挿入歌『宝石』がそれ)
こうして,メディアの取材を受けたり。
なにより,こんなに素晴らしい才能に恵まれているのに・・・
この人は,「唄いたいから」唄っているのではないのだろうな。
きっと,唄わなければ・・・生きていられないのだ。
そういうタイプの芸術家だと思う。
この人の真っ向(まっこう)さが,聞く人の
こころの奥の一番軟らかい部分に,まっすぐにつき刺さる。
「髪が気になって音楽に集中できないから」との理由で
髪を今まで以上に,とことん短くカットしている。
ベリーショートだ。
真っ黒の髪。少年のような頭に,ところどころ,
キラキラ光る銀色の白髪が見え隠れしていた。
『タテタカコ』さん。
死んだKが,とても敬愛していたアーティスト・・・・・