2007・4・29 ピーカン。

10時半に眼が覚めた。よく眠った・・・けど,昨夜も1時半まで,テレビを見ていたのだった。


ピカピカ輝くようなイイ天気。行楽日和だ・・・今日はさぞかし,どこの行楽地も人で一杯だろう。


あひるごはんは,揚げとネギを入れて,納豆をトッピングした温蕎麦。納豆を食べると,身体にすごくイイことをしていると感じるなぁ。。。弟に言われて,毎朝,納豆を半パック,食べさせられている母は,そろそろ泣きがはいってきているが。


洗濯物やらをつめこんだトートバッグを持ち,ジーンズに履きかえて,いざ。


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近道の線路脇に,ワタシの大好きな花が咲いていた。これ・・・なんて花だろう?


12時半過ぎについたら,父は昼食の途中だった。パッと顔を見た限りでは,今日もまずまずの調子のようだ。


ラブレを飲ませて,便の記録をチェック。うむ,昨日,少し出たみたい。でも,今日はまだだな。「お腹はどう?」と聞くと,「別に大丈夫」とのコト。


昼食といっても,結構な皿数だ。ご飯のほかに,ポタージュ状のおかずが5皿。うち1つは,デザートだと思うが。そして,お茶ゼリー。これはお茶を寒天で固めたやつで,食事の一番最後に食べる。喉に残った食べ物を,これで押し流して胃へ落とす働きがあるらしい。父は,マグカップ1杯のお茶(とろみつきで,ドロドロ)も,ちゃんと飲み干した。エライ!!

看護師さんが,「だいぶ食べられるようになりましたね」と笑顔で言う。でも,食べられるようになった,といっても,普通食じゃなくて,ミキサー食だからなぁ。複雑な思い。これが食べられなければ,いよいよ,次は「胃ろう」しか手段はないんだから。

ちなみに,「胃ろう」というのは,胃に穴をあけてチューブを通し,そこから点滴のように栄養剤を流し込む方法だ。


食後は歯磨き。歯磨きのあと,あまりにもよい天気なので父を外へ連れ出そうと思った。

「パパ,ちょっと外へ出てみる?ポカポカしてるで」と提案してみると,意外にも「いや,やめとく」とのそっけない返事。それを聞いていた看護師さんたちが,「○○さん!イイお天気よ!娘さんが来てるんだから,お散歩行っといで!」と,口々にさわぎだした(笑)

その勢いに押されて父も,「じゃあ,行くか」と苦笑い。ベッド脇で車椅子を止め,「すぐ帰るから待っててな」と,父の着ているジャージの上着を脱がせて,屋上へ走って行き,洗濯機に上着と洗剤(家から持参)をほうりこむ。1回100円の洗濯機だ。

腕時計で時間を確かめて,また3階へ駆け戻る。父は「待ってろ」って言ったのに,看護師さんを呼んでベッドに横になろうとしているところだったので,「ストップ!!」と止めて,「外へ行こうぜ」と,なかば強制的に連れ出した。


・・・といっても,特に中庭などがあるわけではない。玄関を出たところに,ちょっとした駐車場のスペースがあって,生垣にツツジが咲いているだけ。桜も散ってしまったし。。。それでも,たまには日光浴をさせなければ。風も吹いていて,とても爽やかな陽気なのだから。

ツツジの前で車椅子を止め,病院を見上げて「あそこがパパの病室」などと教える。父はツツジをちょっと触って,「ふぅん,綺麗だね」と感想を述べた。家では庭いじりが好きで,しょっちゅう,花に水をやったり,苗木を植えたりしていた父。足腰が弱ってからは,部屋で昼寝しているほうが多くなっていたけれど。。。


今なら言えそうだ,と思った。それで,お喋りの流れにのせて,今のままでは,まだちょっと家へ帰るのは無理やなぁ・・・と切り出した。ママもあんなだし,パパももうちょっと,自分のコトを自分でできるようにならなきゃ・・・と。「わかるやろう?」と聞くと,父は笑って「うん」とうなづいた。どうやら,自分でもうすうす,わかってはいたようだ。

でも,家へはまだ帰れなくて,この病院にずっといるものだと思っていたらしい。ここにも,そう長くはいられないから,リハビリを続けられる別のところへ,いずれ・・・と話し出すと,だんだん不安と困惑の混じった顔つきになってきた。

「急にヨソへ行く,といったら,驚くだろうから言っておこうと思って。でも,まだ先の話だけど」と話すと,とりあえずうなづいてはいたが,きっと不安に思ったのだろう。どんなところへ行くのだろうと。そういえば,前の病院から,こちらの病院へ転院するときも,かなり心配して「イヤだなあ。この病院でいいよ」などと言い,ワタシたちを困らせたっけ。

あまり一度にいろいろ言うのもアレなので,今日はこれぐらいにしておこう,と思う。これから,おいおい,施設の話などはしていこう。少しずつ少しずつ。ちゃんと時間をかけて,父がゆっくり考えられるように。


とはいえ,父が黙り込んでなにか考えているらしいので,ワタシも少し困惑した。でも,話さないわけにはいかないからなぁ。。。


久しぶりに家に電話をして,母の声を聞かせるコトにした。母はもう,二ヶ月以上は父に会っていないし,入院していたりしたので,電話も一ケ月以上はしていない。

母と喋っている父の横顔は,目尻に嬉しそうなシワが寄り,本当に嬉しそうだ。母は,自分の腰の具合などを色々説明しているらしく,父は受話器を握ったまま,「・・・そう」「・・・困ったねぇ」などと返事をしていた。ワタシはちょっと離れて,ソファに座り,新聞を読んでいた。


電話を切ったあと,父に「プリン買ってきたけど食べる?」と聞くと,予想外に「食べるよ」との返事。今日のはコンビニの安物だけど,父はモクモクと食べた。「食欲があるのはイイことだね」と言っても,「そうだね」と口数は少ない。やはり,さっきの話はショックだったのかなぁ・・・・


しばらく病院の一階ロビーでテレビを見てから,部屋へ戻る。部屋へ戻ると,看護師さんが,「○○さん,お外どうでした~??」と笑顔でむかえてくれた。ワタシには,「お疲れさまでした」とねぎらいの言葉。いやいや・・・自分の親のコトですから・・・


今日は休日でリハビリもないため,患者さんたちは,どこかヒマを持て余している。看護師さんたちは,手の空いた時間に,元気な車椅子の患者さん達を,ワタシと同じように玄関先へ連れ出してあげていた。「ツツジツアー」とか言って。こういうところが,温かみがあって,よい病院だなぁ,と思うのだけれど。時々ズサンだけど。。。

家族のこない患者は,基本的に外へ出ることができないから,みんな,とても喜んでいた。父と同室のHさんというオジイさんなどは,「あぁ,楽しかった。お忙しいのにどうもアリガトウ」と,何度も何度も看護師さんにお礼を言っていた。ワタシが「いいお天気だったでしょう」と声をかけると,つんできたツツジの花を,「どうぞ」と,ワタシにくださった。なかなかダンディなおじいさんだ。


父はベッドに横になったが,すぐに寝ないらしく(眠れないのか!?),新聞を読み出した。ワタシも,ベッド脇で父の車椅子にこしかけて,携帯でネットサーフィン。外はピーカン。うららかなホリディだ。。。


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新聞を読む父とワタシ(の手)。。。



洗濯機が止まる頃に屋上へいき,乾燥機(1回100円)を回す。誰もいない,淋しい屋上。病院の屋上って,独特なんだよね・・・


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それにしても,イイ天気だな~!真っ青な青空。ワタシは不幸なのか?幸福なのか??わかんないや。


病室へ帰ると,父はウトウトしていた。乾いたジャージを椅子にかけて,「起きたらこれ,着てな」という。「そろそろ帰るよ」といい,にっこり笑った父と,いつものとおり握手をして,「明日も来るからな」と宣言して,病室を出る。4時前。


帰りになんか,美味いモノを食べて帰るつもりだったが,ふと覗いた市場の八百屋で,大きなタケノコ(劇安)を発見。2本で500円!タケノコ好きの母のために,思わず買う。それから,いつもの果物屋で,ハッサクとオレンジを一袋ずつ。お,重い・・・・・

タケノコを早く母に渡そうと,何も食べずに直帰。母はとても喜んで,さっそく米ぬかで下ゆでを始めた。今夜の夕食には間に合わないけど,明日だね。


食後,印象的な映画を観た。『アイリス』。アルツハイマーでどんどん記憶がなくなっていく初老の妻と,その夫の物語。哀しくて,キレイな映画・・・・・
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by rompop | 2007-05-01 10:01 | ホスピタル


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