2006・12・16 胃カメラ。

7時に起床して,迷った末,朝食は抜いて,小さなアンパンをバッグに入れ,8時に家を出る。

隣町にある,F胃腸科病院。胃腸の時は,いつもここにかかるコトにしている。8時半に着いたのに,すでに待合室は大入り満員。28番の番号札をもらって,受付開始まで待つ。

土曜日の午前中,やっぱり混んでいる。あとからあとから,患者がやってきて,ただひたすら,待たされた。

診察は,とても若い医師だった。胃が痛む,と少し大げさにいい,運良く,すぐに胃カメラを撮ってもらえる事になった。しかも,今日の胃カメラ担当は,ワタシがいつもお願いしているKドクターだ。


Kドクターはまだ若いが,腕はいい。一度もむせたり,上げそうになったりするコトなく,管はするすると喉を通って胃に入ってゆく。小さなモニターがベッド脇にあるので,ドクターの声を聞きながら,自分の胃の中の,ピンク色の壁をじっと見つめる。

少し胃の内部が荒れているが,心配するような腫瘍も潰瘍もなかった。米粒ほどのポリープが2つ。これも,絶対にガン化しない,良性のものだとのコト。5種類の成分を混ぜた苦い粉末と,錠剤を2週間分,処方してもらう。


病院は,疲れるなぁ。


薬を処方してもらったら,もう12時半を過ぎていた。父の昼食に間に合うように,行きたかったのに。


タクシーに飛び乗り,車内で,こっそりとアンパンを食べ,ペットボトルのお茶を飲む。喉が,胃カメラの麻酔薬で,まだ少し,苦い。


父の病院に着いたのは,1時過ぎ。昼食も終り,父は横になっていた。「やあ」と言って入っていくと,父は目を開け,「アレ!?」と言った。いつもは夜に来るワタシが来たので,時間がわからなくなったようだ。「今日は土曜日で休みだから,来たよ」という。

主治医に話をいろいろ聞きたかったのだが,看護士さんに連絡をとってもらったら,もう帰られたあとだった。がっくり。

14時からリハビリを毎日やっている,と聞いたので,ベッド脇で文庫本を読み,ぽつぽつと父と話をしながら,待つ。

「14時から1階でクリスマスの集いをやります。紙芝居や演奏がありますよ,○○さんも行きましょう」と,どこかのボランティア団体の方達が,部屋にやってきた。楽しそうだが,リハビリの時間と重なるので・・・とお断りする。父はあまり,興味を示さない。


14時。看護士さんがやってきて,父を車椅子に移してくれる。ワタシは父に靴下とリハビリシューズを履かせるのを手伝う。フリースの上着をパジャマの上から羽織らせる。良い方の手から先に袖を通す。袖を通すときは,前もって上着に自分の腕を通して置いて,父の腕をひっぱり上着をかぶせるようにする。簡単なコトだが,ちょっとした工夫だ。きっと,こういう「ちょっとした工夫」がいっぱいあるに違いない。なるべく,観察して覚えておかねば。

1階のリハビリ室で,初めてリハビリを見学させてもらった。

2本のポールの前で,父は身体を支えてもらいながら,車椅子から立つ。「ちょっと歩いてみましょうか」と言われ,ポールの間を前のめりになって,ゆっくりと歩く。距離は3メートルぐらいだが,怖ろしく時間がかかる。麻痺したほうの左足は,自分で前に出すコトができない。リハビリの担当看護士が,後ろから足を押したり,前からひっぱったりして,父の歩を前に進める。

方向転換してゆっくり戻り,また車椅子に座る。これを2セット。自分の体重を支えようとして,父の左手はポールを握り締めて,ぷるぷると震える。

リハビリを続ければ,歩けるだろうか。まだわからない。


車椅子に座ったまま,両手を上に上げる運動。左手は,肘から先しか上がらない。看護士が,左の腕を持ち上げて,マッサージをする。両手を開き,指を1本ずつ折る運動。左手はもどかしそうだ。うまく指を動かすコトができない。


場所を変え,左手の訓練。父は大きくため息をついた。カラフルな棒状の積み木を,1本ずつ型から抜いて,横へならべてゆく。積み木は15本。

父は,2度ほど,大きく息を吐いて休みながら,時間をかけて全部抜き取った。どうやら,昨日よりも,少し進歩したようだ。

40分ほどのリハビリ訓練。父は,これだけのコトなのに,ぐったりと疲れていた。車椅子を,病室までワタシが押して戻る。「疲れた?」と聞くと,「疲れた」と父。可哀相だから,無理はさせたくない。でも,無理させないと,父はもっと可哀相なコトになる。


クリスマスの集いは,ちょうど終わったところだった。たくさんの患者さんたちが,めいめいに病室へ戻ってゆく。


リハビリから帰ると,どっと疲れたのか,父は昼寝してしまった。ワタシは,「また戻るから」と,外へ。お腹がすいたので,何か美味しい物を食べようと思った。胃は痛いが,なんともないだろう。少し歩いて,入ったコトのない,回転寿司の店へ。

お寿司を8貫と,サザエのつぼ焼きを食べた。美味しかった。

1時間ほどして,病室へ戻る。父の担当だという看護士さんが病室へやってきた。父の病状を一番把握している人だ。優しそうな笑顔の人だったので,気になっていたコトを,全部聞こうと思った。父に聞こえないよう,廊下で手帖を広げながら,いくつも質問するワタシに,その人はずっと笑顔で,辛抱強く説明してくれた。導尿のコト,おむつ交換のコト,嚥下性肺炎の心配のコト,歯磨きのコト,水分摂取のコト,などなど。忘れないよう,答えてくれたコトを,手帖に書き込みながら,聞いた。帰ったら,母にも説明してやらなくてはならない。

基本的に,人手の足りない大病院のケアを信用していなかったワタシだが,ワタシたちのいない時間に,きちんと色々なコトをやってくれているようだ。少し安心した。明日,1日のうちにどういうケアをやっているか,プログラムのようなものをくれる,と言っていた。看護士さんにも色々いて,意地悪そうな人も中にはいるが,この人は間違いなく「白衣の天使」側の人だった。


夕食までいるつもりだったが,父はやはりウトウトしていて,「もう,今日は帰ってくれていい」と言う。遠慮でなく,本当にそう思っているようだったので,帰るコトにした。ワタシが長時間いると,疲れるのかもしれないな。


帰り道。あまりにも肩こりがひどいコトを思い出して,通りすがりのクイックマッサージの店へ。素敵なアロマの香りの中で,30分,揉んでもらった。気持ちよかった。でも,ワタシの肩は,まだまだ硬くなっているようだ。

6時ごろ,帰宅。

京都に住む叔父と叔母が,見舞いに来てくれたそう。母の血圧が高いので,10分ほどで帰ったらしいが,お土産に美味しい店のラーメンをもってきた。

胃がちょっと心配だったが,せっかくなので,いただくことに。京都駅の近くにある『第一旭』のしょうゆラーメン。美味しかった。弟が用意してくれていた,レタスとトマト,ポテトサラダ。カボチャの煮物は食べられずに残してしまった。


夜になって,母の血圧がまた少し上がった。気になるので,布団を下に運んで,母の隣で眠った。夜中に何度か,目を覚ました。
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by rompop | 2006-12-17 12:57 | ホスピタル


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