2006・12・4 久しぶり!

朝食は,昨夜いただいたデニッシュなど,ホットミルク。

午後から半休を取って,ミナミへ。今日は,どうしても観に行かなくちゃいけない芝居がある。昨日から始まった「お客さま」で下腹は痛いし,体調は最悪に近かったが,なんとしても行かねば。

その前に,昼食を。かねてから行ってみよう,と思っていた,道頓堀にあるうどん屋。『道頓堀今井』。最近買った「大阪食堂」という本に載っていた店だ。

道頓堀の中座・角座の並び,とてもわかりやすい場所にあったのですぐにわかる。平日の昼間のせいか,会社員の姿は見えず。買い物帰りの老夫婦などが多い。

d0062023_128963.jpg


少し迷ったが,きつねうどんを注文。とても期待していたが,やってきたのは,とても地味な風情のきつねうどんだった。大きな四角い揚げが2枚,薄い色のおつゆ,刻んだネギが一盛り。

でも,やっぱり出汁が美味しい。薄味だが,ぼんやりしていない。揚げも,柔らかく,甘く炊いてあって良く味が染みている。うどんは,コシがあってツルッとしている。ううん。何というか,とても「丁寧な」「優しい」味だ。735円という値段は,そう安いとは思えないが,おつゆは美味しいので,ほとんど飲んでしまった。鍋焼きうどんを食べている人が多かったので,きっとアレも美味しいに違いない。

d0062023_1283853.jpg


丁寧な仕事の大阪のうどんが食べたければ,お勧めのお店だ。


さて。時間がないので,日本橋のほうへテクテク歩く。国立文楽劇場を通りすぎて,さらに歩く。会場は,シアトリカル應典院。どうやらお寺に隣接した劇場らしく,墓が見える。

小劇場時代におつきあいのあった,『劇団メイ』の芝居。座長のキムさんと会うのは,7~8年ぶりじゃないだろうか。こっそり観に行って驚かせてやろう,と思ったが,ホントに目を丸くして驚いていた。ワタシの記憶の中の彼は,まだ20代の,ひょろっと背の高い青年だったが,しばらく会わない間に,すっかり貫禄がついて座長さんらしくなっていた。いやぁ,会えて嬉しかったなぁ。あまりに嬉しくて,思わずハグしてしまったぐらいだ。

客演で,もう1人懐かしい人に会えた。彼とも,もう7~8年は会っていない。彼ももう,20代半ばの青年ではなくなっていた。ワタシもきっと,同じくらい歳を取ったのだろう。


芝居は2時間ちょっと。骨太な芝居だった。在日問題については,難しいコトはワタシにはわからない。恥ずかしいが,勉強不足はいなめない。今までそれについて,勉強しなくても,自分が生きるにあたって,なんの不便もなかったからだ。

日本で,日本人として生まれて生活しているワタシには,自分のルーツを呪ったり,あるいは焦がれたりする思いは,まったく無い。自分の「血」について,思いを巡らせたコトもない。そんなコトを考えなくても,良かったのだ。もしかしたら,「自分とは何だろう?」とすら,考えなかったかもしれない。お気楽で幸せな,ただの「日本人」だ。

そんなワタシには,彼の書く「自分の血」や「ルーツ」や「同族たち」の物語は,ところどころ,難解でもある。主人公の青年は,在日朝鮮人だ。親から言われ,朝鮮人学校に通ったが,異和感を感じて数ヶ月で辞めてしまった。朝鮮人だが,朝鮮語は喋れない。日本名で通している。朝鮮の名前で自分を呼ぶのは,親族ぐらいのものだ。ある日出会った少女が,親しみをこめて彼を母国の名前で呼ぶ。「呼ぶな」と彼は叫ぶ。その本当の思いが,ワタシにはわからない。多分,本当の意味では,永遠にわからないのだと思う。

でも,その難解さを越えて,なお,いくつもの台詞がたまらなく胸を打つ。役者が舞台で喋っているその言葉は,間違いなくキムさん自身の身体から出たものだとわかるからだ。どれも嘘がないからだ。暴力があり,憎悪がある。でも,ラストシーンの演出である朝鮮舞踊はとても美しく気高く思えた。嫌悪やら愛やら,いろんなものが混在してせめぎ合っている。舞台の上で。彼自身の中で。不覚にもワタシは,泣いてしまった。

公演のチラシーの挨拶文に,作・演出でもある彼は書いていた。

ある日,死んだあと。神さまから,「オマエは来世もまた人間だ。何人(なにじん)がいい?」と聞かれたら,迷わず「在日の朝鮮人でいい」と答えると。


いろいろ考えながら,難波まで歩く。少しだけお腹が空いたので,一度入ってみたい,と思っていた『重亭』へ。ハンバーグステーキを注文。

d0062023_129345.jpg


初めて食べた『重亭』のハンバーグステーキは,想像していた味と少し違った。もっと,わかりやすい味を想像していたが,とても肉の味のしっかりしたハンバーグ。デミグラスソースは少し甘みがあって美味しいが,当然ながら,ハンバーグの内部にまで染みこんではいない。これが正しいのかな?外側はソースの味,中は,ほとんど肉本来の味。「真面目なハンバーグ」というカンジだ。

d0062023_1291850.jpg


料理を運んでくれるのは,なぜかオバちゃんばかりで,不思議な感じがした。今度は,別の料理を食べてみるコトにしよう。


梅田で少しスカートを物色して,帰宅。「晩ごはんはハンバーグよ」と言われて,脱力。わけを話して,勘弁してもらった。母よ,ゴメン。

夕食は,生卵かけご飯,大根と揚げの煮物。

夕食後,まったりと部屋でくつろいでいると,嫌なコトを思い出した。今日から,夕刊紙『日刊ゲンダイ』で,誠サマの連載が始まるのだった。買ってくるのをすっかり忘れてしまった!

とりあえずパジャマを脱いで,ジーンズに着替え,マフラーをぐるぐる巻きにして自転車を飛ばし,駅前のコンビニへ。ここになかったら,どうしよう。もう,駅の売店はとっくに閉まっている。

祈りながら店内に飛び込むと,レジ横に・・・あった!嬉しくて,つい2部も買ってしまった。


☆新歌舞伎座に1月公演の垂れ幕が・・・

d0062023_1210696.jpg

[PR]
by rompop | 2006-12-04 22:15 | 映画・舞台・音楽


<< 2006・12・8 昔の,仲間。 2006・11・21 廃墟。 >>