負けず嫌い。

9時過ぎに目覚ましが鳴る。ああ,昨日は身体が疲れていたらしく,久しぶりに,熟睡できた。人間の身体って,とてもわかりやすい。

スーパーのチラシを広げ,何を買ってくるか,母に相談。10時半頃,出かける。特価の,「ナス4本入り」は,影も形もなかった。「もう無くなっちゃったんですか?」と,店員に尋ねる。売り切れるのが早過ぎる。負けず嫌いのワタシは,こんな風に出遅れるのが,大嫌い。がっくりして,カートを押して店内を回っていると,さきほどの店員が,「お客さん!」と走ってくる。手にはナスの袋。「お客さんでしたよね,ナス。裏に一袋だけ,残っていましたから」と,手渡してくれた。「わぁ,アリガトウ」と,とたんにハッピーになる。

今日はアイスクリームが安い。カップのアイスを5個,カゴに入れる。母に頼まれた「ホウ酸団子」も,最後の一袋をゲットした。なかなか,いい感じだ。

トイレットペーパーも安かった。一袋買って,自転車の後ろの荷台に,紐でしっかり固定して,グラグラとしながら,自転車をこいで帰る。つぶしてはいけない,イカの天ぷら,卵のパック,おぼろ豆腐。道端の穴ぼこや,小石に気をつけて。

あひるご飯は,トーストに,賞味期限の怪しいベーコンとレタスを挟んで。マヨネーズをたっぷり。コーヒー牛乳。イカの天ぷら。

撮りためたビデオを,ごろごろしながら,眺める。久しぶりにのんびりした気分。

4時,米をとぎ,夕食の支度をする。母も,だいぶ元気になり,2人で台所に立てるようになった。

夕飯を食べようと階下へ降りると,母がまた,「少し具合が悪い」と布団に寝ている。いっきに暗くなる。しかし,話をよく聞いていると,朝から父が,ゴミ捨ての曜日を何度も何度も母に尋ねたり,先ほどは,「第1月曜日」が何日か,というコトで,散々もめたらしい。6月の7日は,第1月曜日なのだが,父の理屈では,カレンダーを見ると,7日の週は第2週になっている。だから,7日は「第2月曜日」だと言うのだ。

カレンダーを指差しながら,「確かにカレンダーを見ると,7日は第2週にあるけど,6月に何回月曜日があって,その何番目の月曜日か,ということなんやから,7日は,6月に入って第1回目の月曜日。だから,第1月曜日なんや」と,説明する。「わかったか?」と聞くと,「わかった」と言うが,本当に納得したかどうかは,怪しい。先ほどは,同じ説明をした母に,「納得できない。ママはおかしいんじゃないか」と,散々,言ったらしい。

燃えるゴミ,リサイクルごみ,大型ごみなど,それぞれに出す曜日が違う。父は,母の代わりにゴミをきちんと出そうと,その曜日のコトだけで,頭がいっぱいなのだ。それで何度も何度も,「夜のうちに出してはいけないのか」などと,同じコトを繰り返し,母に尋ねる。

「ゴミのコトは,ワタシがやるから。パパは,一切,ゴミのことは気にしなくていいから」と,強い口調で言ってしまった。父は「はい」と,うなだれた。

父はおかしい。以前から物忘れや,言動に怪しいところがあったが,このところ,ますますおかしい。どうすればイイのだろうか。軽い脳梗塞があるので,病院の脳神経外科には,以前から通っている。しかし,アルツハイマーなどの外来は,また別なのではないだろうか。別の病院へ連れていったほうが,良いのだろうか。しかし,そういう所へ連れて行くコト自体,父にショックを与え,症状を悪化させるコトはないのだろうか。

母は,父がこのまま,おかしくなってしまうのでは,と不安で,そのコトを考えると,頭がぼうっとして,気分が悪くなったらしい。どうすれば良いのか,ワタシにもよくわからない。ワタシの脳の血管もおかしくなりそうだ。

「救心」を飲んで横になっている母を見ながら,砂を噛むような思いで,夕食を食べる。ニラと豚肉の醤油炒め,ゴーヤとツナのマヨネーズ和え。

父は,機嫌を損ねたのか,布団に入って,ぷいと向こうを向き,文庫本を一心に読んでいる。「おやすみ」と言ったとき,返事をしなかった。
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by rompop | 2004-06-06 13:10


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